卓球王国 2024年12月20日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

T.T彩たまが開幕戦に勝利。英田理志が殊勲の星

岡山リベッツ 1-3 T.T彩たま
0勝1敗 1勝0敗
1 上田仁 11-7 9-11 9-11 神巧也
森薗政崇 篠塚大登
2 田添響 11-7 4-11 5-11 2-11 松平健太
3 町飛鳥 10-11 7-11 11-9 9-11 英田理志
4 上田仁 8-11 11-2 11-8 7-11 12-10 篠塚大登
5

昨日の木下マイスター東京vs.琉球アスティーダに続く、Tリーグ男子の開幕戦第2試合は、T.T彩たまが3−1で岡山リベッツに勝利!
T.T彩たまは、坂本竜介監督が今季からの新人、篠塚大登と英田理志を開幕戦で起用。「篠塚には期待したというより、ある意味普通に2点使った。練習の時からポテンシャルしか感じないですから」(坂本監督)。高校2年の篠塚は神巧也とのダブルスで、上田仁/森薗政崇のチキータと両ハンドを抜群の予測能力で狙い打った。ネットインなど、予想外のボールが来た時のリカバーも見事。常に集中力の高いプレーで、2018−2019シーズン最多勝の上田/森薗ペアに競り勝った。

強豪ペアの上田/森薗を退けた神(右)/篠塚


ダブルスでつかんだ流れに乗って、T.T彩たまは2番松平健太も素晴らしいプレーを見せる。1ゲーム目こそ田添響の豪腕カウンターにつかまり、7−11で落としたが、2ゲーム目からはバックハンドの速攻で反撃の機会を与えず、チャンスボールはすばやい回り込みからフォアドライブを振り抜く。田添は常に台から下げられ、苦しい展開を強いられた。松平の会心のプレーで、彩たまが2−0とリード。

今日の健太は強かった。2ゲーム目から完璧なプレーを披露


田添は松平の速攻に台から下げられ、劣勢に回った


そして3番で金星を挙げたのが、スウェーデン・エリートリーグで活躍してきたカットの英田理志だ。カットで粘ることはなく、レシーブ、3球目、そしてストップを次々にバックドライブで狙い打つ。特にバックストレートへのバックドライブは高い決定力を誇った。攻撃選手のバックドライブとは回転量や飛び方、間合いが異なるので、対戦相手の町はなかなか対応できない。
カット打ちには定評のある町としては、バッククロスのドライブ対カットのラリーに持ち込みたいところだったが、レシーブからバックドライブでストレートを突いてくる英田のプレーにペースを狂わされた。英田のTリーグ初勝利は、開幕戦での値千金の1勝となった。「英田の頑張りは大きかった。『コイツを強くしなければダメだ』という思いがあったし、開幕戦のオーダーに名前を書いて、結果を残してくれたのはうれしい」(坂本監督)

カットマンとは思えないほど攻撃的なプレーで、英田が町から殊勲の星


岡山は4番で上田が篠塚と熱戦。上田がミドルからのサービスで篠塚のチキータを牽制し、パワフルなフォアドライブを連発すれば、篠塚は両ハンドのカウンターで応戦し、中陣に下げられても回転の変化をつけてミスを誘う。6−6からスタートする最終ゲーム、篠塚は8−10とマッチポイントを握られたところから10−10に追いついたが、最後は上田が主将の意地を見せて12−10で振り切った。

ゲームオールジュースで岡山の主将・上田(手前)が勝利し、意地を見せた


試合後のヒーローインタビューに指名された英田は、「この舞台でプレーできるまでにいろいろな方に支えていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。まだ長いシーズン、試合がたくさんあるので次も頑張っていきたい。今日のプレーは100点。自分だけのオリジナルな戦型、卓球を追求していきたい」とコメント。T.T彩たまの柏原哲郎社長からは「今日からお前もヒーローだ!」と肩を叩かれた。

ヒーローインタビューで控えめに喜びを語った英田。表情がわかりにくいですが……


 

開幕戦勝利に会心の笑顔を見せたT.T彩たまのメンバー


一方、岡山は開幕戦を落としたが、まだレギュラーシーズンの21試合のうち1試合が終わっただけ。今季は日本人選手の層が厚く、第2戦から巻き返していきたい。ダブルスに出場した森薗政崇は「ダブルスは勝負所のコース取りとか、勘が鈍っていたので、今日の敗戦の映像を見返して、今後に生かしていきたい。長い自粛期間を経て、今日ようやく始まったなという晴れ晴れとした気持ちです。自分自身も楽しんで、皆さんを楽しませていきたい」と今後への抱負を語った。
 

関連する記事