卓球王国 2024年12月20日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

開幕3日目、琉球が昨日に続き2連勝。岡山は白星を掴めず

琉球アスティーダ 31 岡山リベッツ
2勝1敗 0勝2敗
1 吉村和弘 7-11 11-7 9-11 上田仁
宇田幸矢 森薗政崇
2 木造勇人 11-9 9-11 11-10 11-6 吉田雅己
3 吉村真晴 11-4 11-7 11-7 田中佑汰
4 宇田幸矢 11-6 11-10 11-5 上田仁
5

 
Tリーグ開幕3日目、琉球アスティーダが完全に息を吹き返したか⁉
「初戦は全部0-3のロイヤルストレートフラッシュの負け」と吉村真晴が表現したように完敗の開幕戦を経て、昨日は木下マイスター東京にリベンジを果たし、今日は岡山リベッツに勝利。チーム2連勝で上昇気流を捕まえた。
それでも琉球の張一博監督は今日の試合を振り返り、「何度も苦しい場面があった」と喜びよりも安堵で胸をなでおろした様子だった。
 
トップのダブルスは岡山ペアが勝利。
岡山リベッツの上田/森薗は、昨日の負け後にたくさん話し合い、戦術をガラリと変化させたという。「ぼくらのストロングポイントは森薗のチキータ。でもそればかりだと相手に慣れられてしまう。チキータの回数を減らして、ぼくも待ち方を変えたりした。それで今日、勝てたのは評価したい」(上田)とコメント。
琉球ペアに対してチキータをあえて使わずに、台上のストップ対ストップに持ち込むことで、大きなラリーに持ち込ませなかった。3ゲーム目の9-9の場面では、森薗がネットすれすれの質の高いサービスで宇田に2本連続チキータミスを誘って連続ポイント。初年度のゴールデンペアが見事な復活だ。

チキータで攻めた琉球ペア。最後にミスが出た


 

見事な立て直しで上田/森薗が勝利


 
琉球にとっては嫌な流れで回ってきたが、今季初試合の木造が見事なプレーを見せる。
木造はレシーブの多彩に変え、両ハンドのコースも振り分けて相手に的を絞らせなかった。そして台から下がらずに前でボールをさばき、早さでも上回った。何よりも打球点の早い横回転が入ったストレートへのバックドライブは木造の大きな武器だ。右利きの吉田の外に逃げていく癖球を要所で使い、吉田のカウンターを封じた。
「めちゃくちゃ緊張したけど、チームメイトが笑わせてくれたりして、緊張をほぐしてくれた」(木造)。大学の先輩でもある吉田を破り、カウントを1-1に戻して、バトンを繋いだ。
吉田にとっては3ゲーム目10−10でのサービスミスが痛かったか。そこを取っていたら、4ゲーム目は変わっていたかもしれない。

木造の早さに台から下がってしまった吉田


前陣に貼り付き、リスクを追っても攻めた木造


初陣を挙げた!


琉球にとって大きな1勝を手にし、キャプテン吉村真晴が出陣だ。
初采配で緊張を隠せない20歳の田中に対し、気迫を前面に出してストレート勝ち。サービス、レシーブ、強打、吉村が自分の持ち味を存分に発揮して、若手を退けた。
前陣でのブロック・カウンター卓球の田中は、吉村の豪打はなかなか止めることができないまま、持ち味を活かせずに得意のカウンターも不発。打開策を見出そうと先に攻めても、今度は吉村のカウンターに捕まった。Tリーグの洗礼を味わったが、強い選手とぶつかることで良い部分を吸収し、今後につなげていったほしい。頭脳派の田中の卓球は経験が何よりの栄養だろう。

気合い漲る吉村真晴


田中はまだ成長過程。たくさんのものを吸収したい


勝利へリーチをかけた琉球は全日本チャンピオンの宇田が登場。対する岡山は上田でなんとかVMに持ち込みたいだろう。
試合は序盤から宇田がチャージをかけ、点数を積み上げていく。宇田の超高速チキータは鋭角に上田のフォアに突き刺さり、カウンターでも狙えない。上田はサービスの配球を変えて、宇田のミスを誘ったが、それ以上に宇田の攻撃が次々と決まり、「完全に力負けでした」(上田)とコメント。
「開幕戦から2日間試合して、サービスが台から出てしまっていたので、今日はしっかり調整した。相手にやらせないことを意識しました」(宇田)。

手を変え品を変え、宇田を揺さぶった上田


 

速い!速い!
宇田のチキータは止められない


これで2連勝の琉球、そして2連敗の岡山。
Tリーグはまだ始まったばかりで焦る時期ではないが、今のうちに白星を掴んでおかないと、あっという間にファイナルへの道が閉ざされてしまうかもしれない。両チームともに明日は休みで、試合は明後日となる。3連勝か、はたまた3連敗か。流れを掴むには相応のパワーが必要だろう。

今日も宇田が決めて2連勝だ

関連する記事