トップおとめピンポンズ名古屋 |
1–3 |
日本ペイントマレッツ |
0勝1敗 |
1勝1敗 |
1 |
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井林茉里奈 |
5-11 |
11-6 |
10-12 |
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永尾尭子 |
◯ |
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鈴木李茄 |
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シャン・シャオナ |
2 |
◯ |
リン・イエ |
11-8 |
7-11 |
11-4 |
11-8 |
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小塩遥菜 |
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3 |
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出澤杏佳 |
10-11 |
11-4 |
6-11 |
8-11 |
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シャン・シャオナ |
◯ |
4 |
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山本笙子 |
9-11 |
6-11 |
7-11 |
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サウェータブット |
◯ |
5 |
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日本ペイントマレッツとしては2戦目、トップおとめピンポンズ名古屋は初戦となったこの試合。
名古屋は1年半ぶりの現役復帰を果たした井林(旧姓:松澤)がダブルスに登場。ブランクもなんのそのと相変わらず打球点の早いバックドライブを披露し、久々の試合をは思えないくらいキレの良い動きを見せた。
「3回の愛知合宿を行い、チームの雰囲気も良かったです。早い卓球だけじゃなくて、ためて打ったり新しい技術を藤川監督に指導していただき、取り入れています。緊張具合は不安でしたが、一球目から試合にスッと入れました」と井林。会場では誰よりも練習に汗を流し、準備に余念がない。さすがは元日本代表選手だ。
藤川監督も「結婚してもプレーを続けるというのは欧州では普通のこと。井林を1年間、チームに入ってくれるように口説いてきました。今回は負けましたが、必ずプラスに向けて行こうと話しました」とコメントしている。昨年は裏方として、今年は選手として名古屋の新たな戦力となっている。
井林(右)と鈴木のダブルス。ゲームオールジュースの惜しい試合
2番は中学生の小塩のカットをリン・イエがどう攻略するかに注目が集まった。
リンはカット型を苦手としていて、日本ペイントの三原監督も「ぶつけにいった」と希望のオーダーだった。1ゲームこそリンがギリギリで取ったが、2ゲーム目からは小塩がペースを握る。
リンのドライブにカットの角度が合っていき、打てば打つほど小塩に変化をつけられて返ってくる。2ゲーム目、8−3と小塩がリードした時点では、リンのドライブに調整完了と言ったところだろう。
しかし、ここでリンが秘策に出た。ラケットを反転し、バック面に使用していたラバーでカット打ちをし始めたのだ。
普段はフォア側に中国製の粘着ラバー、バック側にドイツ製の粘着テンションラバーを貼っているリン。
スピン量は多いがスピードに劣る中国製粘着だと、小塩を打ち抜けず、スピンを利用されてしまう。しかし、スピードが出るドイツ製テンション粘着であれば、打ち抜ける速さを作ることができる。
2ゲーム目は劣勢を逆転できずに落としたが、リンは反転したままプレーを決行し、小塩を攻略。小塩としてはせっかく調整した角度と距離が狂い、カットの安定感を取り戻せなかった。
一度目のカットの調整は完了。だが、二度目に苦しんだ小塩
フォア側をドイツ製テンション粘着に切り替え、苦手カットを攻略したリン・イエ
1−1で迎えた三番は昨年のジャパンオープンで当たっていた二人の再戦。
その時は出澤が4−3で勝利していたカードだ。その時の敗戦、そして昨日の敗戦がよほど悔しかったのか、シャン・シャオナの気迫は国際大会以上のもの。
積極果敢な攻撃に、出澤の粒高にも角度を合わせたバックショートで粘り、強打のミスを誘った。表ソフト同士の叩き合いは、攻守の切り替えとミスの少なさでシャン・シャオナに軍配。
「ジャパンオープンで一回負けて、今回はしっかり準備した。昨日負けて、コーチに励まされて、自信を持ってプレーできました。表ソフトのペンはしんどいですが、世界でも自分しかいないので、それは特徴として頑張っていきたい。チームのために勝利したい」(シャン・シャオナ)。
試合巧者のシャン・シャオナ。今日は単複で2得点
叩き合いの速攻対決。ミスがやや出てしまったか
4番はサウェータブットが得意のしゃがみ込みサービスで先手を取り、山本を振り切り、日本ペイントマレッツが今季初勝利を飾った。
勝ったとはいえ、サウェータブットはやや心配だ。全体的に動きが悪く、重心も高い。そして滑るように速いフットワーク力も影を潜めている。リンやシャン・シャオナ、ユ・モンユもだが、海外選手は2週間の隔離があるため、十分な練習ができていないことが原因かもしれない。
日本ペイントの三原監督は「早く100%に戻るように練習させたい」と選手を心配している。
プロ選手にとって、ここまで長く休む経験はないだろう。「タイでは試合は全然なくて、家から出ていない。家で妹と練習をしていただけです」(サウェータブット)とコメント。次の試合までに、どれだけ戻せるのか目の前の課題だろう。
そして名古屋の藤川監督は「コロナ禍の中で無事に初戦を迎えることができました。これも運営、裏方の方々、そして集まってくれた選手たちのおかげです」と卓球ができることに感謝を述べた。
卓球ができることに感謝を述べた藤川監督
東京は本日534人の新型コロナウイルス感染者の確認がされている。Tリーグも無観客で行い、ベンチでの選手・スタッフのマスクの着用、報道記者も2週間分の体温検査の提出など、卓球から感染者を出さないようにしっかりとした対策を行っている。
無観客ゆえ、会場は静かで寂しいが、ぜひ動画や報道などでTリーグを感じてほしい。