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Tリーグ

木下アビエル神奈川、エース不在で価値ある勝利

日本ペイントマレッツ 13 木下アビエル神奈川
3勝6敗 6勝2敗
1 加藤美優 7-11 5-11 浜本由惟
馮天薇 杜凱栞
2 打浪優 9-11 11-8 3-11 10-12 袁雪嬌
3 加藤美優 11-3 9-11 11-7 6-11 11-8 杜凱栞
4 田代早紀 6-11 12-10 11-9 9-11 10-12 森園美月
5

 

兵庫県高砂市開催の女子Tリーグ2戦目は、日本ペイントマレッツ対木下アビエル神奈川。

この日はあいにくの空模様で、開場の時間帯はどしゃぶり雨。観客が集まってくれるか少々心配されたが、629人とまずまずの入り。

今回の木下アビエルは、エースの石川佳純がベンチ入りせず、その代わりに新加入の杜凱栞(ドゥ・ホイカン)を起用。

杜は香港チームのエース格で、世界ランキング13位の強力メンバーだ。

その杜が、さっそくダブルスで魅せる。得意のチキータでレシーブから先手を奪い、ラリーでは強烈なフォアドライブを放った。今日初めて組んだという浜本とのペアリングも良く、巧みなコース取りで相手を翻弄。逆に、こちらも初ペアリングの日本ペイント・加藤&馮は動きが噛み合ず、粘り強い両ハンドが武器のはずの2人だが、長所が出せずに完敗となった。

新ペアが幸先よいスタートを切る

 

続く2番は、日本ペイントマレッツから、兵庫県西宮市出身で神戸松陰女子学院大に在学中という生粋の地元民、打浪優が初登場。コートに入った瞬間、大きな声援が飛び交った。

「試合前はすごく緊張してましたが、実際コートに立った時に観客の方も盛り上げてくれたし、ベンチも“大丈夫、大丈夫”と声がけしてくれたので、自分のプレーはできました」とのコメントどおり、序盤から自らも声を出して、積極的なプレーを披露。「自信がある」という巻き込みサービスがかなり効いて、3球目フォアドライブもビシバシと決まる。

だが、同じくらい袁のバックサービスに苦しめられ、フォア前のアップサービスが来るとわかっていても攻めきれない。結局、総合力に勝る袁が勝利し、打浪は地元での初勝利はならなかった。

敗れたが、熱のこもったプレーで会場を沸かせた打浪

 

これで木下アビエルが2-0とリード。あとがなくなった日本ペイントマレッツは、昨日初勝利をあげた加藤美優が、ダブルスで敗れた杜と対戦。

チキータが得意な杜に対して、加藤は相手のフォア側に曲がるしゃがみ込みサービスで得意技を封じる。加藤のサービスは回転量があり、かつハーフロングのため、杜はストップができない。ツッツキが来ればフォアドライブ、ドライブで持ち上げさせればスマッシュで上から叩くというサービス戦術がはまり、加藤が接戦を制した。

「今まで加藤選手と対戦した時は、安定したプレーという印象だったが、今日はリスクをおかして攻撃的な卓球をしてきたので、それに面食らってしまった」と杜。加藤はホームで2連勝し、存在感を示した。

「ミユパンチ」が炸裂した加藤が2連勝

 

勝って5番にまわしたい田代と、このまま決めたい森薗の戦いは今日イチのデッドヒートとなる。

早い両ハンドでグイグイ来る森薗に対して、序盤は攻め込まれた田代だったが、中盤からは距離をとってつなぎのバックハンドで徹底的にミスしない戦術。浮いたボールでさえ、あえて合わせて打ち、逆に次のボールを森薗がミスする場面も見られた。しかし森薗も黙ってはいない。バックに来るボールを回り込んでフォアで狙っていき、しのぎ続ける田代の壁に穴をうがつ。

そしてむかえた最終第5ゲーム。手に汗にぎるラリーの応酬が見られ、10-10のジュースに。そして、次も好ラリーとなったが、最後の最後で田代がチャンスボールへの強打でまさかのミス。結局次のポイントも森薗が取って、木下アビエルの勝利が決まった。

「森薗はバックがそこまで強くないので、フォアで決めてほしいと思った。バックでチャンスを作って、フォアで攻めれたのが勝因」と木下アビエル・劉監督。

攻め抜いた森薗に最後は勝利の女神が微笑んだ

 

ホームで2連敗を喫した日本ペイントマレッツ。加藤が復活し、確実なポイントが計算できるようになっただけに、あと一本の遠さが苦しい。不安定なダブルスのペアリングを固めて、まずは1番を先取できるようにしたいところだろう。

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