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Tリーグ

岡山が連勝で2位キープ! 琉球はホームで痛い2連敗

琉球アスティーダ 1-3 岡山リベッツ
5勝12敗 9勝8敗
1 丹羽孝希 8-11 9-11 上田仁
有延大夢 森薗政崇
2 陳建安 11-7 11-13 11-7 6-11 9-11 吉田雅己
3 丹羽孝希 11-9 11-8 11-8 林昀儒
4 荘智淵 11-6 3-11 7-11 15-17 森薗政崇

昨日の木下マイスター戦ではエース丹羽孝希を欠き、1-3で敗れた琉球アスティーダのホームゲーム2戦目。今日は丹羽も出場し、万全の態勢で2位岡山リベッツを迎えた。プレーオフへの望みをつなげたい琉球と勝利して首位木下マイスターを追撃したい岡山の意地と意地が激突。どの試合も見応えのある接戦が繰り広げられたが、岡山が勝利を手にした。

連勝を決めて笑顔の岡山リベッツ


第1マッチのダブルスは琉球・丹羽孝希/有延大夢vs.岡山・上田仁/森薗政崇。上田/森薗はこれまで12勝をあげ、実に85%を超える勝率で圧倒的な強さを見せていて、白神監督も「ふたりもプレッシャーがある中で本当によく戦ってくれている」と舌を巻くプレーぶり。第2ゲームでは5−8とビハインドを許した場面もあったが、ダブルス巧者同士のペアリングらしい落ち着いた試合運びで琉球ペアを2−0で退けた。

強い強い、岡山の上田/森薗


第2マッチは昨日は敗れたものの張本を苦しめた琉球・陳建安vs.岡山・吉田雅己。「沖縄戦ではいつも丹羽選手とやることが多く、なかなか勝ち星をあげられていなかったので今日は気合が入っていた」という吉田。守備力の高い陳建安とシーソーゲームを展開し、最終ゲームに突入。「2−2になったら気持ちの勝負で、攻める気持ちがないと勝てないと思ったので攻める気持ちだけは相手に負けないように戦った(吉田)」が、最後まで攻めの手を緩めずに陳建安を振り切った。
対する陳建安は幅広いテクニックがあり安定していて好ゲームを展開するのだが、守備力の高さゆえに後半は守備に回ってしまうのが課題か。

最後まで攻め抜いた吉田が勝利!


 

喜びを爆発させた!


 

敗れた陳建安。鋭いドライブ速攻を最終ゲームに見たかった


第3マッチは前回のデビュー戦で敗れ、ほろ苦いTリーグデビューとなってしまった岡山の林昀儒と琉球・丹羽とのサウスポー対決。林昀儒は出足から元気よくドライブを放ち、4−1とリードを広げ会場をざわつかせる。丹羽のフォア側にボールを集め、前陣でのフォア対フォアのスピード対決で得点をあげた林昀儒。しかし、丹羽がバック側にもボールを散らし始めると徐々に対応できなくなり、9−7から3本連取されて先にゲームポイントを奪われると、丹羽の伝家の宝刀・バッククロスへの回り込みフォアドライブを浴びて1ゲームを落としてしまう。こうなると完全に丹羽ペース。バック対バックで相手が苦しくなってきてフォアに回した時にカウンタードライブを放つなど、ストレートで林昀儒に勝利。昨日は欠場した丹羽だが、ホーム沖縄でエースが勝ち星をあげた。

沖縄のファンの前で勝利した丹羽


岡山の2−1で迎えた第4マッチ。あと1勝で岡山の勝利が決まるが、琉球は昨日の木下マイスター戦では4番で侯英超のカットを打ち抜いて会場を沸かせた荘智淵。エース丹羽から受け取ったバトンをラストまで回し、VMに持ち込みたいところだ。
その荘智淵は第1ゲーム、打点の早いバックハンドを武器に運動量のある森薗でも追いつかないような攻撃を広角に決める。このまま荘智淵ペースか…と思われたが、「1ゲームは取られたけど不思議と落ち着いていた」と森薗。第2ゲームの3−3から一気に8連続ポイントでゲームを奪うと、第3ゲームでも中盤4−5から6連続ポイントで10−5とするなど11−7で王手をかける。第4ゲームはシーソーゲームになり、10−9と森薗がマッチポイントを取った場面でのこの日1番のドライブの引き合いを荘智淵が制すると、互いに譲らずデュースが続いたが、「こうなると森薗(岡山・白神監督)」というように闘志あふれるプレーを見せた森薗が17−15で荘智淵を振り切り、岡山の勝利を決めた。
ダブルスでの起用が多く結果も残している森薗だが、「シングルスで起用される雰囲気を昨日から感じていて、シングルスは久々なので朝からワクワクしていた」と万全のメンタル状態だったようで、さらに「学生時代からの先輩でもある吉田さんにとって苦しいシーズンになっているので、吉田さんが勝った段階で絶対にチームとして勝ちたいという気持ちが強くて試合に入り込めた」と先輩の勝利を目の前にして気合いが最高潮に達し、激戦の勝利につながったようだ。「これまで国際大会では1勝1敗だった荘智淵に勝てて自信にもなったし、ダブルスだけじゃないぞというところも見せられたのでもっとシングルスにも出たい!」と力強く語った森薗。魂の試合を魅せるファイター森薗に今後も注目だ。

躍動した森薗




 

接戦で敗れた荘智淵


岡山リベッツは吉村和弘と李尚洙が欠場して4人での戦いとなり、「昨晩は頭の中のリトル白神と相談してオーダーを決めました(笑)」と会場の笑いを誘った岡山リベッツ・白神監督。実は「吉田選手が勝つと不思議とチームが勝ってない」という悪いジンクスがあったそうだが、「この沖縄戦は1試合1試合がすべて勝負だと思っていたので、その中で紙一重で勝利することが出来たし、今日は次のホームにつながる試合ができた」と視線は次へと向けられていた。

「リトル白神と相談しました」と笑いを誘った白神監督


対する琉球はこれで4連敗。ホーム2連戦で勝利を飾れず、プレーオフ進出が苦しい状況が続いているが外間監督は「残りの4試合、Tリーグを盛り上げるためにも必死に1試合1試合戦うだけ」と語った。

会場入り口では東京ばな奈とキットカットのコラボ商品が配られた

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