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Tリーグ

日本ペイント、今季を笑顔で締める

トップおとめピンポンズ名古屋

13

日本ペイントマレッツ

5勝15敗 6勝15敗
1

ハン・イン

8-11 6-11 馮天薇

徐孝元

蘭曦
2 安藤みなみ 8-11 7-11 11-5 8-11 松平志穂
3 鄭怡静 11-6 11-3 11-9 相馬夢乃
4 ハン・イン 9-11 8-11 8-11 馮天薇
5

抹茶の産地として知られる愛知県西尾市の西尾市総合体育館で、土日開催となるトップおとめピンポンズ名古屋のホーム2連戦。その1戦目は、激しい3位争いを繰り広げる日本ペイントマレッツを迎えての対戦だ。
先制したのは、日本ペイントの馮天薇/蘭曦ペア。TOP名古屋のハン・イン/徐孝元というカットペアに対し、緩急をつけたカット打ちとストップで、終始主導権を握った。蘭には時折、強打のミスが見られたものの、馮のカット打ちにはミスが出ない。ドライブも交えてなんとか反撃の糸口を探したカットペアだったが、日本ペイントペアの的確なカット攻略に押し切られる形となった。

ダブルスで流れを掴んだ日本ペイントは、2番の松平志穂も素晴らしいプレーを見せる。前回の対決で敗れていたTOP名古屋・安藤みなみの3球目攻撃を封じ、またラリーでもバック対バックで安藤のナックル性(無回転)のボールに完全に対応。安藤は勝利へのプレッシャーがあったのか、チャンスボールをスマッシュミスする場面が多く見られた。安藤は3ゲーム目から随所で持ち味の強打を決め始めたものの、松平が逃げ切る。日本ペイントが2ー0と勝利に王手をかけた。
貴重な勝利をあげた松平のコメント。「今日はサービスから3球目、レシーブから4球目でうまくコースを突くことができた。試合前はカットマンと対戦することを想定して、カット打ちを多くやっていたが、そのおかげで体をしっかり使って打つことができ、結果的には良かったかなと思います」(松平)

後がないTOP名古屋だが、3番に鄭怡静、4番にハン・インと実力者を連ねるオーダー。何とか2-2に持ち込みたいところで、まずは3番の鄭が、日本ペイント・相馬夢乃のカットを豪快に打ち抜く。緩急をつけつつ一発で仕留める鄭のカット打ちに対し、相馬は変化カットで翻弄するまで至らず。3ゲーム目には飛び込みバックスマッシュなども決めて見せ場を作ったが、及ばなかった。高校生Tリーガーの相馬は、今シーズン5戦に起用されて、残念ながら勝利には至らず。しかし僅差の試合も多く、華麗なカットプレーで観客をわかせた。来季に期待したい。

そして4番はTOP名古屋の終盤の躍進を支えたハン・イン、対するは、日本ペイントを加藤美優とともに支えた馮天薇という大一番。馮が1番ダブルスと同様に、カット打ちにミスがなく、じわじわと押していく展開。鄭怡静と対照的に、一発の豪打はないものの、安定した弧線で広角に打ち分けるドライブで主導権を握る。ハン・インも変化で崩したかったが、馮の気迫と集中力は凄まじい。相手を防戦に追い込んでからのバッククロスへのシュートドライブで得点を重ねていく。点数は競りながらも3ー0で逃げ切って、日本ペイントに3ー1での勝利をもたらした。クールな馮も拳を握り、ベンチは歓喜に湧いた。

「ダブルスの勝利が大きかったし、2番の松平、そして4番の馮天薇はさすがという試合ぶりでした。最後に勝利をお届けすることができました。ありがとうございます!」 日本ペイント・三原孝博監督は満面の笑顔で応援団の声援に応えた。一方のTOP名古屋・新井周監督は、「負けたということは弱いということ。どの試合がポイントというより、全員ですね。もちろん私やコーチも含めて、チーム全体が足りなかった点を認める必要がある」と険しい表情でコメント。
この試合に臨むにあたり、最終マッチということを意識せず、いつもどおり各選手ができることを準備したという日本ペイント。一時期は11連敗などもあったが、今シーズンの最後は笑顔で終えることとなった。そしてTOP名古屋のほうは、翌24日は日本生命レッドエルフを迎えての最終戦となる。もちろんホームでの最終マッチを勝利で終わらせたいはずだ。地元の声援に応えて、ベストの戦いを見せてくれることだろう。

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