卓球王国 2024年7月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

女子開幕戦、Vマッチで石川vs早田が激突。石川が振り切り、木下アビエルが白星スタート

日本生命レッドエルフ 23 木下アビエル神奈川
0勝1敗 1勝0敗
1 陳思羽 9-11 11-8 8-11 長﨑美紬
前田美優 木原美悠
2 田志希 11-4 10-11 10-11 11-7 11-8 杜凱琹
3 早田ひな 11-2 11-6 6-11 11-7 木原美悠
4 森さくら 11-10 8-11 3-11 3-11 石川佳純
5 早田ひな 9-11 石川佳純

 
昨日に開幕した男子に続いて、女子のTリーグ開幕戦が大阪の中心地、難波にあるエディオンアリーナ大阪で開催された。
注目のカードは、ファーストシーズンのプレーオフファイナルで激闘を繰り広げた日本生命レッドエルフと木下アビエル神奈川。なお、ご存知の方も多いだろうが、そのファイナルでは日生がVマッチ(ヴィクトリーマッチ)の末、木下を下し、初代王者に輝いている。
試合開始は18時30分で会場は17時。大阪はあいにくの雨だったが、開場前から多くのファンが押し寄せていた。

会場のエディオンアリーナ大阪には開場前から多くの人が並んだ
 

貴重なトップのダブルスで競り勝った木原(右)・長﨑
 
トップのダブルスは、木下はファーストシーズンでも組んでいた木原・長﨑。対する日本生命はファーストシーズンで高い勝率を誇った中国人ペアが今シーズンは不参加のため、前田・陳思羽の新ペアを起用。
試合は木下ペアが先にゲームを奪ったが、2ゲーム目から日本生命ペアのプレーが噛み合うようになり、3ゲームまでもつれたが、最後はペアリングの経験の差が出て、木下ペアが勝利。
 
日本生命の前田(左)・陳思羽の新ペアは勝ち星には恵まれなかったが、なかなかのコンビネーションを見せた
 
2番は木下は杜凱琹、日生はTOP名古屋から移籍した田志希という外国選手対決になった。この試合では田志希の巻き込みサービスを杜凱琹がうまくレシーブできずに1ゲーム目は田志希があっさりと奪う。しかし、杜凱琹は2ゲーム目から得意のチキータなどレシーブで強打することを減らしてミスせずに入れてラリー戦に持ち込む戦術に変える。2、3ゲームをジュースで杜凱琹が取ると流れは杜凱琹に。
あとがなくなった田志希だが気持ちは切れない。よく動いてフォアドライブの連打を見せるなど、フィジカルの光るプレーで追いつくと、6オールからの5ゲーム目はサービスを変えて杜凱琹を翻弄。逆転勝ちで試合をタイにした。
 

昨シーズンのTOP名古屋から日本生命に移籍した田志希。気合十分のプレーで杜凱琹を下した
 
3番はファーストシーズンで13戦全勝を誇る早田が登場し、ダブルスで勝利している木原と対戦。スタートから早田がキレのあるプレーで木原を圧倒。早田は3ゲーム目こそ落としたが、完璧なプレーで14勝目をあげた。

パワーとスピードで木原を圧倒した早田

早田が勝ち、ファーストシーズンから続く連勝を追加。Tリーグ14連勝を決め、日本生命が大手をかける
 
あとがなくなった木下は満を持してエースの石川が登場。日生の森に対して1ゲーム目を落とし、2ゲーム目も3−7とリードされたがここからラリー戦で逆転すると、3ゲーム目からは別人のようなプレーになり森を攻め立てる。ライジングをとらえたバックハンドを何本も決めて勝利。チームのピンチを救った。

石川は目のさめるような強烈なバックハンドで試合をタイに戻した
 

森はパワー両ハンドで1ゲーム目をジュースで取ったが、その後が続かなかった
 

勝負の行方はVマッチへ。会場に詰めかけた3046人の観客がヒートアップする
 
男子の開幕戦に続いて、女子の開幕戦もVマッチに突入。MCのマイクからVマッチの選手がコールされると、この日一番の大歓声。それもそのはず、名前を呼ばれたのは石川と早田の2人だ。
誰もが望んだカードが始まる。
Vマッチは1ゲームだけで行われるので、技術もさることながらメンタルが大きく左右される。石川、早田ともに強気のプレーを見せたが、この日はわずかに石川のメンタルが上回った。
石川は強化中の縦回転系のサービスを1本目から使い、2−0とリードを奪う。だが、ここから早田が3連続得点で逆転。それでも石川のプレーに迷いはなく、終始攻撃の手を緩めない。9−5で石川リードから9−8、10−9と早田が詰め寄るが、最後は石川の浮いてしまってレシーブを早田がオーバーミスでゲームセット。「ラッキーな面もあって勝てた」と試合後に話した石川だが、それまでのプレーで早田にプレッシャーをかけていたからこその最後の1本だと感じた。
 
チェコオープンから帰国して間もない石川は、時差がまだ残っているとしながらも、 「開幕戦ということで大勢のファンの方が来てくれました。日本でやる試合を楽しみにしてくれている方の期待を裏切りたくないと思って、出場しました。今日は厳しいかなと思っていましたが良いスタートが切れました」とコメントした。

ハイレベルな戦いは、石川が早田の追い上げを振り切り、激戦を制した
 

昨シーズンのプレーオフファイナルのリベンジを果たした木下アビエル

関連する記事