9月22日よりスタートしたアジア競技大会・卓球競技の最終試合となった男子シングルス決勝。世界選手権の決勝を戦った樊振東と王楚欽が、4年に1度の大舞台で、力のすべてを出し合う魂のぶつかり合いを見せた。
●男子シングルス決勝
王楚欽(中国) -10、10、11、-7、4、-7、8 樊振東(中国)
まず先制したのは樊振東。フォアハンドを打たせまいと、バックを積極的に狙う王楚欽に対し、樊振東は王楚欽のフォアサイドを鋭角に走り抜けるようなバックハンドで対抗。ジュースをものにして1ゲーム目を奪い取る。
続く2ゲーム目序盤は攻撃が冴え渡った王楚欽がリードを奪ったが、逆転で樊振東が先にゲームポイント。しかし、ここから守りに入らず強気に攻め続けた王楚欽がサイド逆転し、12-10でこのゲームを奪う。3ゲーム目もジュースとなったが、台上での精細さとバックストレートへの攻撃を貫いた王楚欽がやや優位に立ち、ゲームカウント2−1でリード。しかし、4ゲーム目は樊振東が反撃。安易に下がらずに前陣でピッチの速いラリーで得点を重ねると、ネットインやエッジなどのラッキープレーにも恵まれ、ゲームカウントを2-2とする。
5ゲーム目は王楚欽が4点で奪いアジア王者へ王手をかけるも、前回王者の意地を見せる樊振東が6ゲーム目を取り、勝負の行方は最終ゲームへ。
運命の最終ゲームは互いに一歩も譲らない凄まじい攻防を見せたが、中盤で樊振東が7-4とリード。このまま一気に試合を決めるかと思われたが、ここから王楚欽が驚異的な追い上げを見せる。ミドルへのロングサービスで5-7、バックサイドへのロングサービスを回り込みフォアハンドで樊振東のミドルに打ち抜き6-7、続けて出されたバックサイドへのロングサービスを今度は相手のフォアサイドに打ち抜き7-7と追いつく。そこからさらに3連続得点を奪いチャンピオンシップポイントを握ると、最後はバックストレートへの3球目攻撃を樊振東が返しきれずにゲームセット。因縁のライバルを4年に1度の大舞台で下した王楚欽は、両手をあげ充実の笑顔を見せた。
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