Tリーグの女子セミファイナルが代々木第二体育館(東京)で開催。
白熱した日本生命レッドエルフと日本ペイントマレッツとの試合は激しい戦いとなり、ヴィクトリーマッチで早田ひなが勝ち、決着をつけた。
<Tリーグ女子セミファイナル>
日本生命レッドエルフ3-1日本ペイントマレッツ
ソン・メイヨウ/ソン・イジュン10、12
佐藤/橋本◯
◯赤江夏星11、9、-6、-10、9橋本帆乃香
◯早田ひな-7、6、3、8 横井咲桜
ハン・シキ -8、-6、-11 大藤沙月
◯早田ひな 9 横井咲桜
*観客数1680人
トップのダブルス、2ゲーム目、9-9から日生ペアが打ち込み、ロビングで凌ぐ日ペのカットペア。橋本が後陣からのカウンタードライブを決め、10-9とマッチポイント。最後は13-11で佐藤/橋本のカットペアが粘り斬り、先勝した。試合後、佐藤瞳は「苦しい2ゲームでしたけど勝ち切ってよかった」と会場でコメント。
2番は全日本3位の実力者、赤江とカットの橋本。赤江が緩急をつけたカット打ちで橋本のカットを崩し、2ゲーム連取。しかし、橋本はカットと攻撃を交えながら2ゲーム取り返して、2-2の最終ゲームに持ち込む。
5ゲーム目も、赤江の攻撃をカットで凌ぐ橋本が、反撃に出るもそれをことごとくブロックする赤江。最後は赤江のボールがネットインで入り、激戦は赤江の勝利で終わり、日本生命は1-1に戻した。「苦しい試合でラッキーな部分もあった、我慢して勝利につなげることができました」(赤江)。
日ペの大嶋監督は試合後に「橋本は今日は赤江選手に打たされた展開だった」と振り返った。
3番の早田は1ゲーム目を先取されたが、全く慌てずに、2ゲーム目から攻撃球に緩急をつけながら、横井をじわじわと攻めていき、3-1で勝利。別格の強さだった。「受けていたら勝てないと思ったので、挑戦者の気持ちでやりました」(早田)
4番で日ペの大藤が攻めまくり、ハン・シキに流れを与えない展開。3ゲーム目の最後はハンのサービスミスで試合が決まった。「1-2で負けていての4番だったのでヴィクトリーに絶対回したかった」(大藤)。
ヴィクトリーマッチで対戦するのは3番で対戦した早田と横井。3-3から6-3と横井が離すも、早田は6-6に追いつく。9-8で早田、ミドルのボールを巧みなボディワークで打ち返し10-8、マッチポイント。10-9になったところで早田がタイムアウト。次に早田のサービスからの3球目ドライブを横井がブロックミス、日本生命レッドエルフが決勝進出を決めた。
大いに盛り上がった3時間17分の激闘だった。
●2点を取り、決勝進出を決めた早田のコメント
「2番で1-1で回してくれて、2-1で4番に回すことができた。2-2になると準備をしていて、ヴィクトリーは楽しくやれた。明日もプレーできることが嬉しいし、気を引き締めて頑張ります。いつもの自分じゃない、挑戦者の気持ちでやれました。観客の応援で背中を押してもらえました」(会場コメント)
「2番で赤江選手が勝ち、3番に回してくれて戦いやすい状況を作ってくれた。世界卓球の後に体調を崩して、そのままシンガポールに行きました。帰ってきてから、100%ではないけど、今日の試合は1ゲーム目の状態も良くなかったので、横井選手より自分は弱いんだと思い、挑戦者の気持ちで戦えました。明日の木下には世界卓球のチームメイトがいますが、誰とでも対戦したいし、最後まで自分らしく戦いたい。Tリーグにあまり出られなかったけど、日本のファンに応援してもらえて嬉しい。その応援にしっかり応えていけるようにプレーしたい」(会見で)
●決勝を決めた日本生命の村上監督のコメント
「昨シーズンは木下に負けていますが、明日も大接戦なると思いますがぜひ勝ちたい」(会場で)。「ダブルスが勝負だけど中国ペアが負けた。赤江が粘り勝ちした。それがヴィクトリーに持っていけた要因。(起用しなかった)伊藤美誠はWTTが直後にあるので、ボールの影響もあるので彼女の意志を尊重した。赤江には出れてラッキーだぞと言いました」(試合後の会見で)
●早田に2回敗れた日本ペイントの横井のコメント
「相手は強いので自分は思い切ってやるだけだった。2番の2ゲーム目で相手が対応を変えてきた。チキータを封じられ、自分がやりにくいことをやってきた。いろいろな引き出しがあると感じました。ヴィクトリーでは自分が勝てるチャンスがあったのに残念です」
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