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【卓球】大逆転!『LION CUP TOP32』の女王は早田ひな

●女子シングルス準決勝
長﨑美柚(日本生命) 9、8、6、10 佐藤瞳(ミキハウス)
早田ひな(日本生命) 5、ー12、5、ー9、3、9 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
●3位決定戦
木原美悠 7、ー10、7、5、8 佐藤瞳
●決勝
早田ひな ー5、ー7、ー9、5、8、9、11 長﨑美柚

『LION CUP TOP32』の女子シングルス決勝は、早田ひなが長﨑美柚との「ニッセイ・サウスポー対決」を0ー3からの大逆転で制し、優勝。すでに獲得している世界卓球団体戦の出場権に加え、男子優勝の張本とともにアジア競技大会のシングルスの出場権を獲得した。

昨年のアジア選手権や世界卓球の選考会、さらに今年1月の全日本選手権準々決勝でも対戦している早田と長﨑だが、結果はすべて早田が勝利。同じ戦術では勝ち目はないと、今回は長﨑が出足からロングサービスを連発。打球点の高いバックハンドでバック対バックのラリーを優位に展開し、一気に3ゲームを連取した。

バック対バックを軸に、激しいラリー戦が展開された女子シングルス決勝

連戦の疲労を考えても、早田の0ー3からの逆転は相当厳しいところだったが、「真っ向勝負では負けていたので、相手のやりにくいところを探しながら、我慢して我慢してプレーできた」と優勝インタビューで語った早田。長﨑のバック強打を粘り強くしのぎ、要所でフォアクロスの鋭いフォアドライブを打ち込んだ。もつれ込んだ最終ゲームも、長崎に先に10ー9でチャンピオンシップポイントを握られたが、最後のひと踏ん張りで振り切った。

驚異的な精神力で長崎の猛攻をしのぎ切り、逆転勝ちを収めた早田

「卓球は対人競技で相手との勝負ですけど、自分に勝たないと結果を出すことはできない。そのバランスを取りながら、しっかり自分に勝てるように1本1本戦っていきたい。これからもちょっとずつ自分の階段を登っていって、結果につながるようにしていきたい」。会場での優勝インタビューでは力強くそう語った早田。決勝では時折笑みすら浮かべながら、卓越したセルフコントロールを見せた。

優勝インタビューでは周囲への感謝の思いを口にして、涙ぐむ場面も

表彰式での男女シングルスチャンピオン。タフな2日間を戦い抜いた

長﨑は惜しくも優勝を逃したものの、ロングサービスを2本連発することもためらわなかった、決勝での思い切りの良いプレーは光っていた。世界卓球団体戦でもチームのポイントゲッターとなる可能性を秘めた選手だ。3位の木原は、3位決定戦でカットの佐藤を前後左右に揺さぶりながら、徹底して粘られたが、安定したフォアドライブ連打からの強烈なスマッシュで勝ち切った。佐藤も今日の2試合は敗れたとはいえ、日本女子チームにとって貴重なカット型であり、オーダーの幅を広げるうえでも貴重な存在になるだろう。

先輩・早田をあと1点まで追い詰めた長﨑

3位決定戦では佐藤に負けない粘り強さでカットを攻略した木原

対戦相手の前後の揺さぶり、連続強打にも感動的な守りを見せた佐藤。まだまだ強くなる

☆女子順位決定戦の結果

●女子シングルス5ー8位決定戦
伊藤美誠(スターツ) 10、ー4、6、8、7 橋本帆乃香(ミキハウス)
石川佳純(全農) ー7、ー7、ー8、1、7、6、10 平野美宇(日本生命)
●7ー8位決定戦
橋本帆乃香 8、6、8、8 平野美宇
●5ー6位決定戦
伊藤美誠 キケン(1ゲーム目終了時) 石川佳純

東京五輪代表の3名が出場したハイレベルな5ー8位決定戦は、石川が平野戦の最終ゲームで右足をくじくアクシデント。この試合は何とか乗り切ったが、5ー6位決定戦の伊藤戦は1ゲーム目を取ったところで棄権を申し出た。WTTグランドスマッシュには明日予定どおり出発とのこと。不戦勝となった伊藤は、「前回の対戦では全日本の決勝で負けている。私は負けたままというのは嫌なので、できればやりたかったです」と無念さをにじませた。

伊藤戦は残念ながら途中棄権の石川。平野戦の最終ゲームで右足を傷めた

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