ひとりの男がTリーグのチームを作る。
果たしてそんなことができるのだろうか。
池袋晴彦、39歳。京都で生まれて、父の仕事の関係で小学4年まで台湾に住んでいた。
京都の公立の桂川中、桂高校を卒業後、一浪して筑波大に入学、卒業後に一般企業に入社したものの、すぐに退社。特別支援学校で1年半講師を経験した後、公立中学の教諭を4年間務めた後に、筑波大大学院の修士課程、日本卓球協会の情報戦略チームに入り、活動していた。
2016年に協会の強化スタッフを離れ、2017年にTリーグの日本ペイントマレッツのコーチに就任し、4年間、コーチとして、また裏方としてチームを支えた。
日本卓球協会の強化スタッフとして、強化の中枢に身を置き、そしてTリーグでその表舞台に立ちながら、同時に裏方を務めた池袋。
とはいえ、ひとりの男がTリーグのチームを作れるのだろうか。
池袋は昨年11月から「京都にチームを作る構想」を固め、周りの人に相談をしながら、1月には株式会社京都卓球クラブを設立し、着々と準備を進めた。そして30を超える企業を回り、チームの経済基盤を揃えつつ、5月にTリーグ理事会で承認を得た。
無謀にも見えるだろう。
しかし、新たな変革とはこういう一人の人間の無謀にも見える行動によって起こるのではないだろうか。
池袋が尊敬する卓球人がいる。
「荻村伊智朗」。
卓球の元世界チャンピオンであり、元国際卓球連盟会長。池袋は会ったことはないが「信念や哲学があり、競技者としても会長としても結果残しているところ」に惹かれるという。大学や大学院時代に卓球以外の先生たちから「荻村さんはすごい」という話を幾度となく聞いた。
「もし荻村さんが生きていたら、ぼくの今回の行動をなんて言うんでしょうね」と池袋はポツリ。
卓球のためにハイリスクな決断をする人間を荻村は好んだ。まず自宅に呼んで、喝を入れ、そして背中を押すに違いない。
「京都」は大企業をバックにして、組織的に活動できるチームではない。現在も池袋はひとりで企業を回り、これから選手を集めていく。一歩ずつ一歩ずつ。「京都」は今までのTリーグのチームとは全く違うチームになるかもしれない。
「京都を地域密着のチームにしたいです。データ分析もやってきたのでそれを競技力に活かしながら、集客でもデータを使いながらどこをターゲットにするかを経営的な判断をしながら、見てくれる人を増やしていきたい」と池袋は語る。
Tリーグ女子の「京都」がチーム名を募集する。
情熱の男、池袋晴彦が作る「京都」に素晴らしい名前をつけましょう!
申し込みは下記、URLから。
https://kyoto-ping-pong.com/name/
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