10月21〜25日、イギリス・ロンドンのカッパー・ボックスで行われた『WTTスターコンテンダー ロンドン』。来年、世界卓球選手権の100周年記念大会となるITTF世界卓球選手権団体戦が開催される同会場で、熱戦が展開された。各種目の上位および日本選手の結果は下記のとおりだ。
〈男子シングルス〉●準々決勝
張本智和 4、4、7 リンド(デンマーク)
林昀儒(チャイニーズタイペイ) 5、9、ー7、ー4、8 松島輝空
チウ・ダン(ドイツ) 9、12、15 シュトゥンパー(ドイツ)
レジンスキー(ポーランド) 8、8、ー10、7 K.カールソン(スウェーデン)
●準決勝
張本智和 ー5、9、3、10 林昀儒
チウ・ダン 0、ー7、9、ー6、5 レジンスキー
●決勝
チウ・ダン 11、10、12、ー9、ー7、10 張本智和
※その他の日本選手の成績
ベスト16:吉村和弘、篠塚大登、宇田幸矢
ベスト32:吉山僚一、田中佑汰、
ベスト64:及川瑞基
男子シングルスでは張本智和が準優勝。2回戦で右シェーク・バックアンチラバーのムラデノビッチ(ルクセンブルク)に3ー2、3回戦で吉村和弘に3ー2と相次ぐ接戦を制し、準決勝では難敵・林昀儒を逆転で破って決勝へ勝ち上がった。
決勝では右ペンドライブ型のチウ・ダンと対戦。チウ・ダンは「まともにバック対バックで勝負すると不利になる」と、裏面ドライブで早いタイミングでストレートを突き、変化の大きい裏面チキータで張本を苦しめた。張本もフォア前へのサービス・ストップを積極的にフォアフリックで狙い、鉄壁のバックの攻守で激しいラリー戦を展開したが、10ー7でゲームポイントを握った3ゲーム目を落としたのが響き、2ー4で惜しくも敗れた。

苦戦を粘り強く制して勝ち上がった張本智和。決勝はあと一歩及ばず(photo:WTT)

好調を維持し、男子シングルスを制した世界ランキング14位のチウ・ダン(photo:WTT)
その他の日本選手では、松島がグナナセカラン(インド)、プツァル(クロアチア)というラリーに強い強豪を速攻で圧倒し、ベスト8進出。林昀儒にもゲームカウント0ー2からゲームオールまで追いつき、あと一歩の内容だった。10月上旬の中国スマッシュで大活躍を見せた宇田幸矢は、レジンスキー(ポーランド)に0ー3で苦杯。長くヨーロッパの新星と言われてきたレジンスキーが、19歳にして頭角を現してきたか。
〈女子シングルス〉
●準々決勝
張本美和 2、5、8 楊屹韵(中国)
橋本帆乃香 ー3、ー5、5、6、8 長﨑美柚
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 6、8、4 バトラ(インド)
早田ひな 6、8、5 曽尖(シンガポール)
●準決勝
張本美和 9、7、ー10、5 橋本帆乃香
早田ひな ー11、10、6、6 鄭怡静
●決勝
張本美和 ー5、ー6、8、4、6、ー6、9 早田ひな
※その他の日本選手の成績
ベスト16:平野美宇、木原美悠
ベスト32:小塩悠菜、伊藤美誠
女子シングルスはベスト8に日本選手が4名残り、11月の全中国運動会に向けて中国のトップ選手が出場を回避する中、さすがの強さを発揮した。
その中で強さを見せたのは張本美和。準々決勝で楊屹韵、準決勝で橋本帆乃香とカット型との連戦となったが、正確無比な両ハンドドライブと安定したツッツキで攻略。抜群の集中力とスタミナを見せた。
そして決勝では早田との1時間7分の激闘に勝利。2ゲームを先取され、3ゲーム目も0ー3でリードを許す厳しい展開だったが、ここから3ゲームを連取して逆転。両選手とも前・中陣での攻守に凡ミスなく、最終ゲーム9ー9まで競り合った白熱の一戦を、最後はレシーブから渾身のバック連打を見せた張本が11ー9で制した。

抜群の集中力でタイトルを獲得した張本美和。この1枚の写真が、基本に忠実なプレーを物語る(photo:WTT)

決勝で張本美和と激しいラリー戦を展開した早田は準優勝(photo:WTT)

女子シングルス3位の橋本。WTTの看板選手のひとりとして、会場での人気も抜群(photo:WTT)
2位の早田は、準々決勝で伊藤美誠を破って勝ち上がった曽尖に完勝し、準決勝でタイペイのエース・鄭怡静に勝利。4試合で落としたゲームは「1」と、さすがの安定感で勝ち上がった。3位の橋本は、準々決勝で長﨑に0ー2から逆転勝利を収めている。ダブルス3種目の結果は下記のとおり。
〈男子ダブルス〉
優勝:郭冠宏/馮翊新(チャイニーズタイペイ)
※日本選手はエントリーせず
〈女子ダブルス〉
優勝:石洵瑶/張翔宇(中国)
※3位:早田ひな/伊藤美誠 ベスト16:張本美和/橋本帆乃香
〈混合ダブルス〉
優勝:林昀儒/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
※3位:松島輝空/張本美和 ベスト8:宇田幸矢/申裕斌(韓国)

2019・21年世界選手権2位の名コンビ、早田(左)/伊藤が3位入賞(photo:WTT)

混合ダブルスで3位入賞の松島/張本(photo:WTT)
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