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中国リポート

全中国運動会・男子単。健在どころかまだまだ進化、樊振東が圧巻のV2

上写真:2024年の全中国選手権でプレーする樊振東(写真提供:ピンパン世界)

11月7日から中国・マカオのギャラクシーアリーナで行われている第15回全中国運動会・卓球競技。大会はU18(18歳以下)の各種目と、成年組(一般)の個人戦からスタートし、11月16日に男女シングルスの決勝が行われた。
まず男子シングルス(成年組)の結果は下記のとおり。

〈男子シングルス〉●1回戦
魏世皓(黒龍江省) −12、7、8、5、1 劉家良(吉林省)
孫聞(江蘇省) 5、4、7、5 何俊輝(マカオ)
●2回戦
王楚欽(北京市) 5、8、8、−9、8 魏世皓
黃鎮廷(香港) −9、8、8、11、−7、−16、6 趙釗彦(上海市)
牛冠凱(河南省) 4、8、−12、−8、8、7 廖泓然(陝西省)
林高遠(広東省) 6、4、−5、2、−14、7 程靖淇(福建省)
高楊(天津市) 9、2、−7、5、7 陳垣宇(江蘇省)
孫正(浙江省) −5、9、7、7、8 徐海東(遼寧省)
薛飛(湖北省) 4、5、−7、3、4 鄭孔崴(マカオ)
樊振東(上海市) 10、6、8、6 周雨(河北省)
于何一(河南省) 6、7、−9、3、13 梁靖崑(河北省)
周愷(上海市) 5、4、13、7 陳顥樺(香港)
陳俊菘(福建省) 5、3、3、7 徐晨皓(北京市)
袁励岑(遼寧省) −8、9、−8、−6、7、7、10 周啓豪(広東省)
馬特(湖北省) −6、−1、10、9、7、−8、7 向鵬(浙江省)
趙子豪(上海市) 8、7、9、−7、7 徐瑛彬(黒龍江省)
黄友政(北京市) 9、7、7、3 王楷博(天津市)
林詩棟(海南省) 6、6、3、8 孫聞(江蘇省)
●3回戦
王楚欽 5、−9、−9、5、5、−9、5 黃鎮廷
林高遠 −8、3、3、−7、8、11 牛冠凱
孫正 8、7、−10、7、−9、5 高楊
樊振東 4、2、5、−10、6 薛飛
周愷 6、8、−10、−11、11、8 于何一
袁励岑 −6、5、5、−10、8、10 陳俊菘
趙子豪 −10、9、9、9、9 馬特
林詩棟 −12、−7、9、3、6、8 黄友政
●準々決勝
王楚欽 9、−8、10、5、−7、4 林高遠
樊振東 8、3、6、8 孫正
袁励岑 7、−7、10、7、−7、5 周愷
林詩棟 2、4、−8、3、7 趙子豪
●準決勝
樊振東 −7、9、−9、7、5、7 王楚欽
林詩棟 7、−3、4、8、7 袁励岑
●3位決定戦
王楚欽 9、8、−4、5、7 袁励岑
●決勝
樊振東 9、−8、5、3、4 林詩棟

中国で最もハイレベルな国内大会である全中国運動会。男子シングルスでは、世界ランキング6位の梁靖崑、12位の向鵬、24位の陳垣宇らが初戦となる2回戦で敗れるなど、波乱の展開となった。ベスト4に勝ち残ったのは現王者の樊振東、世界ランキング1位の王楚欽と2位の林詩棟、そして接戦の連続を制して勝ち上がった25歳の左腕・袁励岑。

大会随一の好ゲームとなったのは、準決勝の樊振東対王楚欽戦。王楚欽が1・3ゲーム目、樊振東が2・4ゲーム目を奪い、息を呑むような両ハンドのカウンターの応酬。「今世紀最高」と言えるほどハイレベルな一戦となったが、樊振東は意外性のロングサービスや、やや引きつけて王楚欽の逆を突く巧みなフォアドライブなどで連続得点。5ゲーム目は6−5から5点連取、6ゲーム目は0−4のビハインドから6点連取で6−4と逆転し、11−7で4大会連続の決勝進出を決めた。

王楚欽との超ハイレベルな一戦を制した樊振東(写真は2025年中国超級リーグ/写真提供:ピンパン世界)

樊振東は決勝の林詩棟戦も、1ゲーム目に4−9のビハインドから7点連取でゲームを先取。2ゲーム目は落としたものの、ストップ・ツッツキ・チキータと多彩な台上プレーで先手を取り、強力な両ハンドドライブで一気に林詩棟をねじ伏せた。

2025年は国際大会から離脱し、今季から参戦したドイツ・ブンデスリーガではここまで4勝3敗の低調な成績だった樊振東。全中国運動会でも、下馬評では世界王者の王楚欽が優勝候補の筆頭で、樊振東がどこまでやれるかは未知数の部分があった。

しかし、蓋を開けてみれば、樊振東の強さばかりが目立った男子シングルス。決勝後の会見で、「結果は変わるかもしれないが、私の考え方は変わらない。決勝戦は常に新しい挑戦だ」と語った。

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