●女子決勝
〈デンソーポラリス 3ー0 サンリツ〉
◯橋本帆乃香 7、9、6 永尾尭子
◯野村萌 9、ー7、ー8、2、9 牛嶋星羅
◯小畑美月/菅澤柚花里 9、9 塩見真希/永尾尭子
接戦が予想されたJTTLファイナル4の女子決勝は、デンソーポラリスが3ー0で勝利。前身のアスモ時代も含めて、頂点にあと一歩届かずにいたこの大会で、悲願の初優勝を飾った!
「今年はとにかくこのファイナル4だけを目標にやってきた」(井上明監督)というデンソーポラリス。サンリツのオーダーを予測し、後期日本リーグで橋本に勝利していた永尾のトップ起用を読んで、あえてそのトップに橋本を出した。
「このエース対決で勝てないとうちの優勝はない」(井上監督)という覚悟を持って臨んだオーダーだった。
試合は永尾の回転量の多いフォアドライブを、橋本が正確無比なカットで何本でも返し続けた。橋本が1ゲームを先取した2ゲーム目、永尾が7-0と大きくリードしたのだが、ここから橋本が驚異の大逆転。カットからの反撃も次々に決めて、ストレートで前回のリベンジを果たした。
昨年のファイナル4では橋本はゴールド選手として出場し、準決勝で勝利しながら決勝はTリーグ参戦のために出場できず、チームも敗れていた。「今年は社員として入社して優勝することができて、本当に良かった。昨日から永尾さんと当たることをイメージして、技術面や精神面で注意すべきポイントをいろいろ準備できました」と試合後に語った。

昨年は決勝に出場できなかった橋本、今年はトップでエースの仕事!

正確なカット打ちを見せた永尾だが、今日は橋本の堅陣を崩せず
大きな先制点を挙げたデンソーは、2番で主将の野村(萌)が牛嶋との激戦に勝利。野村のバック表ソフトのツッツキ、フォアドライブからのスマッシュと、牛嶋のカーブロングを交えた多彩なカットプレー。勝負の行方は最後までわからなかったが、最終ゲームは野村が10-7から強打のミスで10-9としながら、最後は牛嶋のミドルへフォアドライブで打ち切った。
入社7年目の野村は、今シーズン限りで現役を引退。このファイナル4が最後の団体戦となる。「本当に素直にうれしいです。(最終ゲームの10-9で)ドライブを3本打ったんですけど、卓球人生22年分の重みが全部乗ったボールを最後ミドルに決めることができた。重かったと思います(笑)」と笑顔で語った。

最後は自分を信じて、フォア強打を打ち切った野村

勝利の瞬間は萌スマイル、チームのムードメーカーとなった

カーブロングや反撃を交え、オールラウンドなカットプレーを見せた牛嶋
昨日は逆転負けを許した小畑/菅澤のダブルスも、3番で要所を締めて2ゲームとも11-9で勝利。歓喜の笑顔のあとで、ふたりの目に涙が浮かんだ。
「今年は優勝した時も負けた時も、とにかくファイナル4だけが目標だと言い続けてきた。1年間、これだけ頑張ってきた選手とスタッフが、最後に栄冠を勝ち取ることができたのは本当にうれしい」(デンソー・井上監督)

昨日は逆転負けを喫したが、今日はしっかり2ー0で勝利した小畑(右)/菅澤

昨日は会心のプレーを見せた塩見(右)/永尾、決勝は勝利ならず
惜しくも敗れたサンリツは、通算5回目の優勝はならず。しかし、単複起用の永尾と塩見を軸に、苦しい試合も笑顔で戦い抜いた。準決勝で殊勲の勝利を挙げた白山をはじめ、若い選手も多いだけに今後が楽しみだ。

悲願のファイナル4優勝を果たしたデンソーポラリス、笑顔の表彰
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