岐阜メモリアルセンターで開催された全日本実業団選手権は最終日を迎え、男子は創部50周年の日鉄物流ブレイザーズが準決勝でファースト、決勝でシチズン時計をそれぞれ3−2の接戦で下し、悲願の実業団初優勝を飾った。
●男子準決勝
シチズン時計 3-0 クローバー歯科カスピッズ
◯上村 4、9、7 松下
◯三部 -7、2、-6、5、6 江藤
◯上村/酒井 -8、8、10 松下/宮本
日鉄物流ブレイザーズ 3-2 ファースト
◯藤村 5、7、-8、10 松平
定松 -2、4、6、-10、-7 町◯
◯髙見/藤村 5、12 松平/神
松下 -6、-7、-8 神○
◯髙見 12、9、9 高木和
●男子決勝
日鉄物流ブレイザーズ 3-2 シチズン時計
定松 -10、-6、-9 淺津◯
◯髙見 4、-6、-10、7、4 酒井
◯髙見/藤村 9、-10、5 酒井/上村
松下 10、-5、-4、-12 上村○
◯藤村 8、-11、-7、5、6 三部
日鉄物流ブレイザーズは準決勝、決勝と藤村と髙見の2人が3得点をあげる活躍を見せた。エースの藤村はファースト戦のトップで松平を得意のサービスと粘り強いラリー戦で勝利。
決勝ではラストに起用されて三部にリードを許したが、攻撃の手を止めずに逆転勝ち。最終ゲームで10−6のラリーでは左右に振られて、最後はとっさにラケットを逆手(右手)に持ちかえて目の覚めるようなカウンターミートで得点。目を疑うようなウイニングショットに会場がどよめいた。
30年以上にわたって国内外の大会を取材しているが、団体戦のラストで試合を決めた1球が利き手と反対の手で決めたシーンを目にしたのは、これが初めてだ。
日鉄物流ブレイザーズは、個々の選手たちの勝利への貪欲さがすばらしかったが、対戦チームが予想不可能な杉井監督の「マジックオーダー」も優勝の勝因。「今大会のオーダーはうまく当たりましたが、過去にはオーダーの失敗も多く、そこから学んだ経験によって当てられるようになってきたのだと思います」(杉井監督)
前回大会で敗れたクローバー歯科カスピッズに勝ったシチズン時計は、日鉄物流ブレイザーズにはここのところ分が良かっただけに悔やまれる2位となった。上位に勝ち進んだチームの中で、選手4人で戦ったのはシチズン時計だけ。ひとりの怪我や故障が命取りになる状況で、しっかりと決勝に勝ち上がるのはさすがだ。
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