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張本智和と早田ひなはパリ五輪のシングルス切符をほぼ確実にした

アジア競技大会での日本選手のシングルスの戦いが終わり、最新のパリ五輪選考ポイントが発表された。今回、アジア競技大会で2位だった早田ひなには60、ベスト8の張本智和には20、ベスト16の吉村真晴と平野美宇には10ポイントが加算された。

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10月2日時点でのパリ五輪選考ポイント(上位3名)

【男子】
1:張本智和 589.5 pt(ポイント)
2:戸上隼輔 404 pt
3:田中佑汰 302 pt

【女子】
1:早田ひな 700.5 pt
2:平野美宇 430 pt
3:伊藤美誠 409.5 pt

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男子の張本、女子の早田が独走状態で1位をキープしているが、残りの対象大会は1125日からの全農カップ(パリ五輪選考会)と来年1月の全日本選手権、そしてTリーグ。それに中国のトップ3に勝つ可能性のあるWTTのみとなった。

選考ポイントの上位2名がパリ五輪のシングルス2名枠に内定し、3人目は日本卓球協会の強化本部が選ぶのだが、現時点で選考ポイント3位の選手がトップに上がってこない限り、1位の選手が3位に落ちることはない。

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全農カップ1位<100pt

全日本選手権1位<120pt

Tリーグ 男子14試合目まで、女子は10試合目まで <12pt/ビクトリーマッチは1pt

国際大会(残りはWTTのみ)のシングルスで中国のトップ3に勝利した場合 <15pt7ゲームズマッチ)>

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全農カップの優勝者には100、全日本選手権優勝者に120ポイントが与えられるが、仮に張本と早田が全農カップに出場せず、全日本選手権でベスト16に入れずに獲得ポイントがゼロだとする。現時点での3位の選手が両大会で優勝して220ポイントを獲得したとしても張本と早田のポイントは追い抜けない(選考ポイントで2位に落ちたとしてもシングルス2名枠には入る)。

 

選考会を棄権したとしても独走の張本と早田はパリ五輪がほぼ確実

残る対象大会はTリーグと国際大会(WTTイベント)だが、選考ポイント3位の選手がTリーグでビクトリーマッチも含めて全勝したとしても、最大で男子は24、女子は10ポイントが加点され、中国のトップ選手と対戦する可能性があるWTTイベントは5大会あり、そこで中国のトップ3を仮に5人倒したとしたら、75ポイントが加わる。

つまり選考会優勝、全日本優勝、Tリーグ全勝、さらにWTTイベントで中国トップ35回倒し、張本、早田が対象大会で獲得ポイントゼロと仮定したときのみ、逆転が可能だが、現実的にはありえない。そう考えると、張本と早田のパリ五輪代表内定はほぼ確実と言っても良いだろう。この場合、両名が11月の五輪選考会に出る必要はあるのだろうか。

7月末からTリーグ、そして9月のアジア選手権、アジア競技大会と続き、10月からのWTT、帰国後のTリーグと、過酷なスケジュールが控えている。 

五輪選考会が協会としてのテレビ絡みの「興行」であっても、パリ五輪へ向かう選手の身体と精神状態を考えたら、この2名は選考会をスキップしてもなんら責められることはない。

ITTF(国際卓球連盟)は来年6月に発表される世界ランキング上位者にパリ五輪のシングルス出場枠を与えると発表しているが、日本卓球協会は独自の選考方法で決めることを発表している(もちろん張本と早田は世界ランキングでも選ばれる位置にいる)。 

パリ五輪のシングルス代表内定がほぼ確実となった張本と早田は、来年のパリ五輪を考えれば、すでに世界で勝つことに目を向けているのだろう。

 

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