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丁寧がアジア・オリンピック評議会のアスリート委員に当選

少し前のニュースになるが、中国・杭州での第19回アジア競技大会の際にOCA(アジアオリンピック評議会)のアスリート委員会の選挙が行われた。その結果が10月7日の記者会見で発表され、2016年リオ五輪女王の丁寧がアスリート委員に当選した。

西アジア・東アジア・南アジアの3つのブロックから、男子14名・女子12名が立候補した今回のアスリート委員会選挙。丁寧は7785票を獲得し、9名のアスリート委員に名を連ねた。なお、アスリート委員は現役の選手と、丁寧のように現役を引退した選手、その両方で構成されている。

「アスリート委員に選出されたのはひとつのスタートであり、これからやるべきことがたくさんあります。この仕事は私にとって新たなチャレンジなので、その過程で多くのことを学びながら、これから頑張っていきたい」(丁寧)

2021年6月に現役引退を発表した丁寧。こちらは2019年のITTFチームワールドカップでのプレー

今年7月に北京大学体育学科の修士課程を終了し、現在は同校で講師を努めている丁寧。2017・2022年と2大会続けて中国共産党の全国代表大会に出席し、中華全国青年連合会・常務委員など政治の分野での肩書きも増えているが、また新たな肩書きがひとつ加わったことになる。

これまでにもたびたび中国リポートで紹介してきたが、丁寧の言葉で忘れられないのは、2015年ジャパンオープンでのインタビューで現役引退後の進路について尋ねられた時のコメント。「現役を引退したらバックパッカーになって世界中を回りたい。もちろん日本にも行きますよ」と語っていた。

どこか日本の小さな町の卓球場をふらりと丁寧が訪れ、バックパックに忍ばせたマイラケットで子どもたちとボールを打ち合う。当時はそんな空想をしたものだったが、今や多忙を極める身。能力のある人物というのは、どの分野でもゆっくりとは過ごせないようだ。

 

2015年ジャパンオープン時の撮影での「丁寧スマイル」。今後もさらなる活躍に期待したい

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