<卓球王国2023年8月号より>
以前にも増して「TIBHAR」の文字やロゴを目にするようになったと感じているのは、私だけだろうか。「ティバー」と発音するドイツの老舗(しにせ)ブランドは、用具好きの心に刺さる高性能ラケットとラバーを次々に発売し、SNSなどで話題に上がることが多い。また、松平健太をはじめとして、契約選手と契約コーチが増えていることも、このブランドの露出を後押ししている。
そのティバーから今年(2023年)3月に発売された『LIBRA』(以下・リブラ)の売れ行きが好調だ。「ショップやお客様から『とてもバランスの良いラケット』という評価をいただいています」と話すのは、ティバー・アジア地区ゼネラルマネージャーのG・C・フォースターさん。オランダ代表として世界選手権に出場し、用具に精通しているフォースターさんは『リブラ』の開発にあたり、次の2つにこだわったと言う。
「スピードとコントロールのバランスを高次元で追求し、それを実現させるために日本製にこだわりました。インナーに搭載した『ハイブリッドZAC』は、弾みすぎず、それでいて物足りなさを感じさせない弾性を持つ新素材で、『リブラ』が初めての採用です」(フォースターさん)
筆者も気になっていた『リブラ』を試打。合わせたラバーはスポンジ硬度53度の『ハイブリッドK3』と、48度の『ハイブリッドMK』。硬めで微粘着の『K3』は、特にドライブで強打した時に『リブラ』との相性の良さを感じた。しっかりと弧線を描きながら、鋭いボールがコート深くに入る。軟らかめの『MK』では操作性の良さを発揮。ドライブ、ブロックの攻守でミスの心配がなく、芯をとらえた強いスイングでは想像以上にボールが走る。吸い付くような球持ちで安心感がありながら、強くスイングすれば満足度の高いボールが出る。褒めすぎだと感じる方もいるだろうが、これが筆者の素直な感想だ。
ラバーを選ばない最新万能ラケットの『リブラ』。プレーヤーのレベルを問わず、お薦めしたい1本だ。
ティバー
LIBRA
●攻撃用ラケット ●¥27,500(税込)
●木材5枚+ハイブリッドZAC2枚
●グリップ:FL・ST・中国式ペン
●平均重量:87g(中国式ペン85g)
●ブレードサイズ:159㎜×152㎜ ●板厚:5.9㎜
●TIBHAR JAPAN 03・6233・7506
photo >> Yoshinori Eto
text >> Manabu Nakagawa
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