卓球王国 2024年5月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
インタビュー

新天地で卓球と向き合う吉田雅己「新しい自分、『ニュー吉田』を見せたいですね」

「挑戦だし、1年1年が勝負だし、
自分もまだ強くなれると思っています」

●ー金沢に決めたのは西東くんとの関係性もあったからですか。
吉田 自分としてはプライベートコーチとして西東にお願いしていた時期もあるので、彼を信頼しています。従兄弟なので何でも打ち明けられる。それに松平健太さんも年上で頑張っていて、経験も多い選手なので、そこも教えてもらいながらやりたいと考えて、最終的に金沢に決めました。
選手によっては、高いレベルにいると「なるべく最高の環境でやりたい」と考え、そういう環境を求めていく人もいますけど、ぼくは別にそういうのはなく、相手が日本リーガーでも高校生でもコミニュケーションがとれて、コーチがいれば練習はやれるタイプなので、大丈夫です。
今までは北海道に帰るとオフモードになってしまうので、早くオンにするべく練習していきます。

●ーTリーグのシーズンが始まるとどういう生活になるんでしょうか?
吉田 北海道に住んでいるといっても、金沢のほうにも部屋を借りるので、北海道でも練習できるし、金沢で選手が集まる時にはそちらが拠点になるし、東京で練習をする時もあります。
今は地元に帰ってきて、気分が良くて、改めて挑戦する気持ちが湧いています。今まで北海道を拠点にしてTリーグに参戦する選手は、前例としていないので、若い選手の刺激にもなったら良いと思います。まずは選手に集中してやります。

北海道と金沢を拠点に、東京でも練習を行うという吉田。新たな環境で、新たな挑戦が始まる

●ー20数年間の卓球人生を歩んで、その中で青森山田という強豪校で腕を磨き、ブンデスリーガでも好成績を出していて、そのままドイツに残ることもできたかもしれないのに、Tリーグに参戦した。長い卓球人生の中でも、今回の決断は大きな挑戦になります。どんなシーズンにしていきますか?
吉田 今までの日本だとこのくらいの年齢、30歳くらいまで卓球をやれたらいいという流れで、そこで引退という流れがあったのに、Tリーグができて、選手寿命は伸びたのかもしれない。自分の中でより長く現役をやりたいという気持ちでいます。そういう意味でも挑戦だし、1年1年が勝負だし、自分もまだ強くなれると思っています。青森山田の先輩もまだ頑張っているので、自分も続けていきたい。

●ー青森山田出身の人は、卓球の好きな人が多い印象もあります。
吉田 ぼく自身、卓球を見るのも、やるのも好きです。水谷さんみたいに強い時にやめるのもいいかなと思っていました。いつかは卓球ができなくなる日が来るかもしれないけど、今はやれる限りはやりたい。

●ー水谷さんも目が悪くなかったら40歳までやりたいと以前言ってました。
吉田 石川佳純さんや水谷さんのようにその時期でやめるのもかっこいいと思っていましたけど、(松平)賢二さんが全日本社会人で優勝したり、(高木和)卓さんの動きを見てもすごいなと思うし、吉田海偉さんもそうだけど、すごく勇気づけられます。

●ー君もドイツにいる時に40歳を過ぎてもガンガンやる選手を見ているはず。
吉田 そうですね。日本でもそういうのが当たり前になったらいいですね。選手としてもう一度活躍したいモチベーションはあります。前までは(丹羽)孝希とか、町(飛鳥)はライバル関係でしたけど、同期の有延(大夢)が頑張っていたりすると刺激になります。

●ー最後に30歳を前にして、チームを変え、住むところを変えた吉田くんからひと言。
吉田 また一から始まる感じだし、選手として燃焼し切れていない部分もあるので、そこを解放して、環境が変わって金沢では従兄弟の西東から指導を受けるので、新しい気持ちでやっていきます。新しい自分を見せたい。新しい自分、「ニュー吉田」で、今までにない活躍を見せたいですね。
最近、「いつ引退したんですか」と言われることが多くて(笑)。このままで終われない。

●ーあの試合数だったら仕方ない(笑)。
吉田 北海道に行くのも、指導者になるんですかと言われる。もっと選手としてアピールしていきます。自分から動き出さないと間違いなく終わるし、自分次第でどうにでもなるので、その危機感を持ちながらやりたいです。

●ー今度は活躍してから取り上げさせてください。
吉田 そうですね。もちろん北海道だけではなくて、地域密着の金沢ポートというチームの一員として、金沢と石川県にも貢献できるように頑張っていきます。

●ーありがとうございました。

関連する記事