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インタビュー

胃ガンを乗り越えてのマスターズ初優勝。北井守、選手として、卓球一家の主として

●次なる目標は仲間との日本一。卓球一家の主人として願うこと

 試合中の鬼気迫る表情とは異なり、普段の北井の口ぶりは実に柔らかだ。晴美とは卓球が縁で結婚し、息子2人も卓球に励む卓球一家。慎二は昨年の全日本バンビにも出場した。家での話題も卓球中心で「卓球がなかったら、どんな話をしているのか想像できない」と北井は言う。

 「息子2人も卓球をしていますが、子どもたちの『やりたい! うまくなりたい!』という気持ちに最大限寄り添って応援したいと思っています。私もそうでしたけど、卓球を通じて人間関係を広げていってくれたらと願っています。私も妻も、息子たちも、歳をとっても一緒に楽しみながら卓球をやれたら幸せですね」(北井)

 多くの人がマスターズ優勝を祝い、喜んでくれたが、その度に「卓球やってて良かった」と思う。卓球を通じて人に出会い、支えてもらって今がある。だからこそ、息子たちも卓球を好きで続けていってほしいと願う。家族が卓球を通じて笑顔でいられることが一番の幸せだ。

2016年、一家でタイペイへ遠征した際の一枚

 そして北井には、選手として次なる目標がある。それは地元・石川県で開催される今年の全日本クラブ選手権50代での優勝。所属する档の会は実力あるメンバーが揃っており、地元に錦を飾りたいと意気込む。周りに支えられてつかんだマスターズ制覇の次は、仲間たちと日本一を味わいたい。 (文中敬称略)

 

 

PROFILE

北井 守(きたい・まもる)

19701014日生まれ、大阪府出身。近畿大附属高、近畿大でプレーし、卒業後は実業団・ダスキン卓球部でコーチを務めた。社会人となってからもクラブ選手権、全日本マスターズに出場。2021年全日本マスターズ男子フィフティ初出場で初優勝

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