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アジア選手権、女子シングルスで張本美和が決勝進出。伊藤美誠が銅メダル!

アジア選手権の女子シングルスで、張本美和が準決勝で伊藤美誠に3−1で勝利。張本の銀メダル以上と伊藤の銅メダルが確定した。日本勢の女子シングルスでの決勝進出は、2021年大会(中国は欠場)の早田ひな以来となる。女子シングルス上位の結果は下記のとおりだ。

〈女子シングルス〉●4回戦
伊藤美誠 7、9、−5、−4、8 大藤沙月
張本美和 8、−9、7、5 バトラ(インド)
●準々決勝
伊藤美誠 3、−5、1、5 徐孝元(韓国)
張本美和 13、−6、8、11 陳幸同(中国)
杜凱琹(香港) 11、9、−8、9 申裕斌(韓国)
キム・クムヨン(朝鮮民主主義人民共和国) 9、−6、5、4 李恩惠(韓国)
●準決勝
張本美和 8、6、−11、8 伊藤美誠
キム・クムヨン 8、6、9 杜凱琹

4回戦で難敵・バトラを3−1で下した張本。準々決勝で対戦した陳幸同は、女子団体決勝3番で平野美宇に敗れたが、これまで日本勢に対して高い勝率を誇る隠れた「日本キラー」。バックハンドの精度の高い速攻を武器に、バック対バックで抜群の強さを誇り、機を見て鋭いフォア強打を打ち込む。

中国女子でただひとり、準々決勝に勝ち上がった陳幸同(写真:ATTU)

試合は序盤からバック対バックの激しい攻防の中で、互いにミドルを織り交ぜながらストレートへの決定打を狙う。勝負のポイントは1ゲーム目、陳幸同が9−4と大きくリードしながら、張本が9−8まで挽回して陳幸同にタイムアウトを取らせ、6点連取で10−9と逆転。ここからジュースにもつれ、互いに2回ずつゲームポイントを握る中、張本も14−13の3回目のゲームポイントでタイムアウト。

互いに勝負と見た1ゲーム目、陳幸同に厳しくバックを突かれながらもフォアに短く緩(ゆる)いボールを送り、陳幸同のフォア強打のミスを誘った張本が1ゲームを先取する。今大会、抜群の冴えを見せている張本のバックハンドの緩急。中国選手に対しては少しでもボールがあまくなると一発で打ち抜かれるだけに、緩急をつけていくのは想像以上に勇気がいるはずだが、張本は強打されてもカウンターで返す準備がしっかりできている。陳幸同とすれば、張本に「ゲームをコントロールされている」という感覚に陥るのではないか。

2ゲーム目以降も要所でバックの強い陳幸同のフォアへ、緩急をつけたボールを有効に使った張本。ゲームカウント2−1の4ゲーム目は、相手に先に2回のゲームポイントを奪われながら、最後は12−11で陳幸同のフォアへフォア連打を決め、勝利を収めた。

張本美和の勢いは留まるところを知らない。決勝で左腕のキム・クムヨンと相まみえる(写真:ATTU)

張本は準決勝でも、伊藤に3−1で勝利。バックドライブの絶対的な安定性を生かし、バック対バックのラリーで伊藤のミスを誘った。伊藤も前陣での左右へのフットワークが非常に速く、大会終盤とは思えない躍動感を見せたが、張本の回転量が多く深いバックドライブに対し、有効な対抗策が見つからなかった。しかし、準々決勝の徐孝元戦では「カットキラー」ぶりも見せ、銅メダル獲得は立派な成績だ。

張本戦での伊藤のプレーには切れがあった。1−3で敗れるも、改めて存在感を見せて銅メダル(写真:ATTU)

張本の決勝の相手は、パリ五輪の混合銀メダリスト、左シェーク・バック粒高のキム・クムヨン。バックの粒高ショートやバックハンドの変化だけでなく、ストレートにも厳しいカウンターが打てるフォアハンドの強さがあり、攻撃力も一級品。見応えのある打撃戦になりそうだ。

バック粒高の変化だけでなく、フォアハンドの攻撃力も高いキム・クムヨン(写真:ATTU)

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