元五輪代表監督、全日本女子監督を務めた西村卓二氏(73歳)が2024年3月31日付で東京富士大の監督を退任する。古い人にとっては「東京富士大」よりも「富士短大」のほうが耳に馴染むだろう。
西村氏は富士短大の監督として指導力を開花させ、3人の全日本チャンピオン(小野智恵子・長洞久美子・神田絵美子)、1983年世界選手権団体銀メダリストの新保富美子、アジアチャンピオンの枝野とみえという日本女子卓球界の屋台骨を支えた選手たちを育成した。
しかも、当時、短大の2年間で選手を鍛え上げ、日本代表選手を数多く輩出した指導力は高く評価され、「日本女子卓球界に富士短あり、富士短には西村卓二がいる」と言われた。東京富士大を率いて今年が50年目。女子チームをこれほど長く指導した監督は日本卓球界にはいない。厳しさと優しさを持つ名将である。
2001年にはその指導力を買われて全日本女子監督に就任。2004年世界選手権ドーハ大会では中国を追い詰めたが惜しくも銅メダルに終わった。2004年アテネ五輪の女子監督も務め、長く卓球界に貢献してきた。
一方、日本学生卓球連盟の理事長も務め、日本卓球協会の理事としては「ご意見番」として強化本部に対しても厳しい質問を浴びせることで有名だった。
今回の退任を電話で確認すると「今年で東京富士大(旧富士短大)は監督50年目。長いね。退任したら、今まで家庭を犠牲にしてきたから、『奥さん孝行』をしたい」と語った。
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