国際卓球連盟(ITTF)の副会長であるペトラ・ソーリング氏(スウェーデン)は、2021年9月のITTF年次総会(AGM)で行われる次の会長選挙に立候補することをITTFのホームページで4月1日に表明した。もし会長になれば、ITTF史上、初の女性会長となる。
「この権威ある地位にノミネートされたことを本当に光栄に思い、スウェーデン卓球協会(STTA)の信頼に感謝しています。ITTFファミリーを再び団結させるためにリーダーシップを確立する努力、協力をする必要がある」(ペトラ・ソーリング)。
ソーリング氏は2009年からITTF執行委員会の委員を務め、2013年に副会長に任命された。2013年、ソーリング副会長は、スウェーデン卓球協会(STTA)の会長に就任すると同時に、大手不動産会社のCEOにも着任していた。
「私のリーダーシップ能力とビジネスのバックグラウンドがITTF会長選に価値をもたらすと確信しています。ただ、 ITTFの将来の成功は、会長だけでは達成されるものではありません。
私たちは、ITTFの会員である各協会と一緒に卓球界の繁栄のために団結しして、卓球というスポーツがロールモデル(規範)になると信じています。」 (ペトラ・ソーリング)。
ITTFは現在、9月の会長選挙を前にカオス(混沌)状態になっている。
ことの発端は昨年5月にITTFカリル・アル−モハンナディ会長代理(カタール)とペトラ・ソーリング副会長が、トーマス・バイカート会長を批判する書簡を各協会に送ったことだ。
昨年の11月にはドイツ卓球協会が全協会に書簡を送り、WTT(ワールド・テーブルテニス)の運営が一部の人だけで行われ、不透明な資金と、会長(バイカート)の意をくまないで活動をしていることを批判した。その書簡に対しても、3月のITTF執行委員会では、ドイツ卓球協会に懲戒を与えることを通達した。
その後、アル−モハンナディ会長代理に不適切な行為があったと、バイカート会長は2月23日に会長代理職の解任を通知していた。
ところが、ITTFの3月の執行委員会では・アル−モハンナディ会長代理を復帰させることに過半数のメンバーが賛成し、それをバイカート会長がスポーツ裁判所に訴えるという、会長選を巡って泥沼状態に陥っている。
バイカート会長が9月の選挙に立候補すれば、今の時点でソーリング副会長と一騎打ちだが、執行委員会はソーリング氏を後押ししているようにも見える。
選挙は全協会による投票だが、ITTF内部は政局で揺れ動いており、ITTFのCEOで、WTTのディレクター、スティーブ・デイントン氏は「WTTは一連の政治的な動きと切り離して、やっていきたい」と語っている。
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