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10月1日からカラーラバーが解禁。ピンク、バイオレット、グリーン、ブルーの4色が決定

新4色ラバー解禁と同時に、卓球メーカーと

卓球ショップが抱える在庫という問題

 

4月8日にITTF(国際卓球連盟)のHigh Performance & Development(HPD・ハイパフォーマンス&デベロップ=強化&普及)が動画を配信した。その中でゲストスピーカーはITTFの用具担当のクラウディア・ヘルベグ。

ヘルベグ氏は、ラバーの製造プロセスを簡単に説明したあとに、ITTF総会での75%以上の支持を受けて、10月1日から「新しいラバーの色」が解禁されることに言及し、現時点で、ピンク、バイオレット、グリーン、ブルーの4色が決定していることを発表した。

総会での決定後に、様々なテストを繰り返し、色を選別していったプロセスも公表。黒に近い色は避けられたこと、イエローなどは白いボールとの識別が困難なので採用されなかったことにも触れた。

アンケート調査では、赤・黒のままでよいと答えた人が56%、新しいカラーラバーに賛成が44%となったことも公表した。

また、世界中の卓球ファンからの質問にどう答えたか、特に、否定的な質問や意見があったことも公表し、特に卓球ショップや卓球メーカーが在庫を多く抱えなければいけない問題が発生することが予測され、Aというラバーに新たに4色で3種類のスポンジの厚さが加わると、単純に12枚を用意しなければいけないことなども言及した。

現在でも、卓球メーカーは不良在庫に頭を悩まし、卓球ショップも限られたスペースでの在庫の置き場所に苦労している。それだけを考えれば、新色ラバーの発売には腰が引けそうになる。ユーザーがどれだけ興味を持ち、購入するのかは現時点では全く予測はつかない。

公式に新色ラバーの発売予定を発表している卓球メーカーはまだなく、特に日本のメーカーは様子を見ている節がある。

また従来の赤と黒の組み合わせは引き続き、有効な組み合わせで、新色を組み合わせる場合でも、片面は黒で、片面にピンク、というような組み合わせになる。

 

サンプルで作られたグリーンのラバー(2019年T2ダイヤモンド)

サンプルで作られたパープルのラバー(2019年T2ダイヤモンド)

 

様々な色のラバーが試作品として登場したが、最終的には4色に絞られた

 

下の写真は2019年のT2ダイヤモンドでピンクのラバーをバック面に貼って登場したスッチ(ルーマニア)。この大会では特別ルールで新色ラバーが使用可だった。写真のように、ピンクのウエアとコーディネートするなど、女子選手では勝敗だけでなく、ファッション感覚での楽しみ方も生まれるかもしれない。

ラバーの製造工程では、ラバーの色を決定する顔料はほんのわずかだ。機械測定では色による性能の違いはないと言われている。今後、日本、そして世界でカラフルなラバーで卓球の試合が華やかになる可能性も生まれてきた。

 

2019年のT2ダイヤモンドの特別ルールで試作段階のピンクのラバーをバック面に貼って登場したスッチ(ルーマニア)。ピンクのウエアとのコーディネートがなんとも可愛い

 

 

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