卓球王国 2021年10月21日 発売 vol.295
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サムソノフ、「国際大会へ参加せず」も、引退発表はなし

7月9日にブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)の用具スポンサーである『ティバー』(ドイツ本社)から以下の発表があった。

「ブラディミル・サムソノフは彼の国際舞台でのキャリアの終わりを発表します。

サムソノフは最後の瞬間までオリンピックに向けて体調を整えることを望んでいましたが、長期にわたる肩の負傷のため、彼は東京五輪に参加することができませんでした。

 オリンピックの欠場に加えて、ベラルーシ出身の『ティバー・スター』であるサムソノフは国際舞台から撤退することを決定しました。

『私は選手として、常に勝利を求め、どんな対戦相手とも良い戦いをすることを考えてきました。 残念ながら、肩の問題によって、数ヶ月もの間、練習、トレーニングをしない状態では東京五輪への参加はできません』と本人のコメント。

 今後数週間で、サムソノフは回復と治療を続け、卓球とともに彼の人生のさらなるステップについては家族とティバーの幹部とともに決定します」

 

ベラルーシ卓球協会が「サムソノフ引退」をインスタグラムで発表したことで、それが中国を含めた世界中のメディアが取り上げたが、本人のコメントはなかった。

1990年代まで旧ソ連だったベラルーシ。サムソノフ自身も有望なジュニア選手として旧ソ連の卓球選手として育成された。しかし、ソ連の解体によって、まだ少年だったサムソノフはドイツに渡り、名コーチ、マリオ・アミズィッチのもとで練習をすることになり、のちにドイツの名門『ボルシア・デュッセルドルフ』のエースとして活躍、同時に世界的な選手に成長していった。

ドイツに来てすぐに『ティバー』がサムソノフをサポートするようになった。現社長のローランド・ベルグも「ブラディ(ブラディミル・サムソノフ)は家族の一員だ。彼との契約は永久なもの」と公言するほどの人間関係で、卓球メーカーとトップ選手の契約であっても、一度ももめることもなく、まさに家族契約のような関係だった。

今回、そのティバーも全く知らないところでいきなりベラルーシ協会が発表(しかもインスタグラム)したことで、本人もティバーも困惑。サムソノフとティバーの間での協議によって、上記のような発表の形を取った。

長期間の故障と、東京五輪欠場によって、ベラルーシ協会の発表(本人への許諾も得ない形で)が真実のように報道されてしまったが、国際大会での活動は終了としても、ロシアリーグなどでの活動を継続するのか、それとも完全な引退となるかは言明を避けた。