●女子シングルス準々決勝
陳幸同(中国) 3、8、5 平野美宇
王曼昱(中国) 5、−6、2、8 銭天一(中国)
平野美宇対陳幸同の女子シングルス準々決勝は、3−0で陳幸同が勝利。
平野、準決勝進出はならず……!
10月のアジア選手権・女子団体決勝では、陳幸同を破っていた平野。しかし、1回戦で孫穎莎も手を焼いた、陳幸同の回転量の多い3球目バックドライブ、バック対バックでの質の高いバックドライブ連打に苦しめられた。バック対バックで陳幸同のドライブの回転量を抑えきれず、オーバーミスになる場面が序盤から多く見られた。1ゲーム目は平野3−2のリードから、陳幸同がなんと9点を連取して11−3で奪う。
2ゲーム目は平野が出足で4−1とリードするも、4−4に追いつかれてからはシーソーゲーム。7−7でストップ対ストップの展開から、陳幸同のバックドライブでバックサイドを抜かれた平野がタイムアウト。
このゲームを取り返して、なんとか展開を変えたかった平野。バック対バックのラリーでは不利になると、ここから積極的に回り込んで勝負をかけた。しかし、2ゲーム目も11−8で陳幸同が連取。3ゲーム目も2−3から5点連取を許して突き放された。随所で好プレーも見せた平野だが、最後まで陳幸同のバックドライブに苦しみ、バック対バックで優位に立てなかった。
平野が中国のトップ選手を連破して「ハリケーン・ヒラノ」の異名を取った2017年頃、20歳の陳幸同が「仮想・平野美宇」として主力選手の練習パートナーを務めていたのはよく知られている。それからおよそ7年、主力の影に隠れていた陳幸同が少しずつ存在感を増し、主力の座を確立しつつある。
「前回勝っていたのでチャンスがあると思っていたのですが、その時には『729』という(中国)メーカーの卓球台とボールだった。今回のようにやり慣れた台とボールだと、中国選手は凡ミスがゼロなので、リスクを負って得点を狙ったけれど勝つには足りなかった」。試合後にミックスゾーンで語った平野。「陳幸同はバックが堅いのでフォアで回り込むことも必要だったけど、返されて難しかった。相手が凡ミスが少ないと自分の戦術が少ないので、得点源を増やしていきたい」(平野)
女子シングルス準々決勝のもうひと試合、王曼昱対銭天一は、長身のシェークドライブ型同士の対決。右利きの王曼昱と左利きの銭天一、互いにラリーの中で相手のフォアを厳しく攻め、台から下げて主導権を握ろうとする。
プレー領域が中・後陣寄りの銭天一に対し、フォアに飛ばされても下がらず、回転量の多いフォアドライブで返球した王曼昱が優位に立った。4ゲーム目終盤、銭天一の痛いロビング打ちのミスもあり、王曼昱が3−1で勝利して準決勝進出を決めた。
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