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WTT横浜

ルーマニアの妖精、スッチ「1ヶ月前にも日本の佐藤瞳と対戦して勝っていたので、自信を持って臨めました」

昨日、WTTチャンピオンズ横浜で、ベテランカットマンのハン・イン(ドイツ)を破って勝利を収めたベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)が、試合後に充実感をにじませた表情で語った。

「序盤は少しミスもありましたが、同じ過ちを繰り返さないよう意識しました。1ヶ月前にも日本の佐藤瞳選手と対戦して勝っていたので、自信を持って臨めました。以前はカットマン相手に我慢できず、焦ってしまうことが多かったけれど、今は精神的にも落ち着いてプレーできています。

長年、守備型選手に苦手意識を持っていた背景には、過去のケガもあったという。「昔、ディフェンス型の選手との試合で筋肉を痛めて以来、対戦するのがあまり好きではありませんでした。でもコーチとたくさん話し、戦術面も含めて準備を重ねたことで、自分には勝てる力があると信じられるようになったんです」

ハン・イン戦ではスコアよりも内容に集中し、1球1球を楽しむ姿勢を貫いた。「得点よりも、自分がやるべきことに集中して、テーブル上で楽しむことを意識しました」。

会場の雰囲気については、「日本でプレーするのは本当に大好き。毎回たくさんのサポーターが応援してくれて、会場も満員。温かい声援を聞くと力が湧きます」と笑顔。日本食については「お寿司が大好き。毎日でも食べたい」と話す一方で、辛いものは少しアレルギーがあるため避けているそうだ。

「大会期間の今は、自分のための時間だと思っているので、トーナメントが終わるまでは他のことに気を散らさない」と語る姿からは、勝利への強い決意が伝わってきた。

今日は夜にベスト8進出をかけて蒯曼(クァイ・マン/中国)と対戦する。唯一のヨーロッパ女子、会場を華やかにするルーマニアの妖精のプレーが楽しみだ。

ドライブの緩急だけでなく、スマッシュを使うスッチ。カットマンとしてはやりにくい選手に成長した

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