中国リポート、大変長らくのご無沙汰を致しまして失礼致しました。WTT中東シリーズへの選手派遣は見送ったものの、徐々に動き出しつつある中国卓球界。中国チームの最新情報や、『中国卓球人国記』などを少しずつアップしていきます。
3月7日、1月から海南省陵水で行われていた集合訓練を打ち上げた中国チーム。選手たちは3日間の休養の後、それぞれの所属する省へ戻り、明日20日から四川省成都市で行われる第14回全中国運動会予選に向けて調整を進めてきた。
全中国運動会は中国で4年に1度行われる総合競技大会。大会に懸ける選手・指導者の熱量は、オリンピックをもしのぐと言われるほどだ。9月15〜27日に行われる第14回大会の開催地は陝西(せんせい)省で、卓球競技は「革命の聖地」として名高い延安市の延安大学体育館で行われる。開催種目は男女の団体・シングルス・ダブルス、そして混合ダブルスの7種目だ。
全中国運動会はオリンピックの翌年に行われるのが通例だが、今回は東京五輪が予定どおり行われた場合、五輪閉幕からわずか1カ月で全中国運動会が開幕。五輪代表の選手たちにとっては非常にハードなスケジュールで、全中国運動会が終わるまでは気が抜けない。
全中国運動会予選では、男女団体は2020年全中国選手権のベスト4のチームと香港・マカオは予選免除。男子団体は広東省・北京市・山東省・湖北省、女子団体は河北省・山東省・江蘇省・四川省が本大会の出場権を得ている。
一方、男女シングルスは2018・2019年に行われた世界選手権やワールドカップ、チームワールドカップで上位に進出した男女各6名が予選を免除されている。男子の馬龍・許シン・樊振東・王楚欽・林高遠・梁靖崑、女子の丁寧・劉詩ウェン・朱雨玲・陳夢・王曼昱・孫穎莎という顔ぶれだ。
予選出場選手のリストを見て寂しく感じるのは、男子団体で過去最多の6回の優勝を誇る解放軍チームの名前がないこと。解放軍が主な競技スポーツの強化チームを解散したことにより、男子チームのエース・樊振東は出身地である広東省から出場。江蘇省出身の周雨は河南省、江西省出身の周愷は河北省、そして徐晨皓は北京市と新たな所属先から予選に出場する。樊振東が加入する広東省は、林高遠・周啓豪らを擁して前回大会3位。大幅な戦力アップにより、馬琳・劉国正・林志剛という強力メンバーを揃えた第8回大会(1997年)以来となる優勝を狙う。
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