「最初から『左利き同士だからダメ』とか、『組んだことのない選手同士だからダメ』だとか、決めつけて可能性を閉ざしてほしくないですね」
「ぼくらはチームワークが良いから五輪代表になれたんじゃない。勝負所で勝つから代表になれたんです」
小気味良い発言がポンポン飛び出してきた。9月上旬、練習を再開したばかりのT.T彩たま卓球場で行った、丹羽孝希選手のインタビュー。
選手のインタビューは、録音したデータを聞き直して「テープ起こし」をしてから、インタビュー記事にまとめるのだが、テープ起こしをした丹羽選手インタビューの文章量は、明らかに他の選手より多い。それくらい淀みがない。
そしてスピーディーなのに、その発言はほとんど修正せずに文章として使えるくらい論理的だ。言いたいことを思いつくままに、脈絡(みゃくらく)もなく言う男ではないのである。物静かな語り口ながら、思わず引き込まれてしまう。
大会直前や大会期間に入っても、実はほとんど練習していなかったという水谷隼選手との「左・左ペア」や、「どこで気持ちのスイッチが入るか、自分でもわからない」というパリ五輪に向けた思いまで。包み隠さず語ったインタビューは、本人確認もすぐに返事が来てビシッと「修正ナシ」。天才左腕が繰り出す言葉の前陣速攻、受けてみてください。
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