10月7日からカザフスタンの首都アスタナで行われている第27回アジア卓球選手権。女子団体では決勝で日本が中国を3−1で破り、歴史的な勝利を収めたが、大会は休むことなく個人戦に入っている。7日間で団体・個人合わせて7種目を行うアジア選手権は「最もハードな国際大会」とも言われる。まず多くの日本選手が2回戦から登場した、男女シングルスの結果は下記のとおり。
〈男子シングルス〉
●1回戦
松平賢二 7、6、7 クラップワ(スリランカ)
●2回戦
松平賢二 12、6、−8、3 趙大成(韓国)
吉村真晴 キケン サーリー(タイ)
張本智和 1、3、8 モルタダ(バーレーン)
戸上隼輔 1、9、9 ユ・ジョン(北朝鮮)
篠塚大登 8、−7、5、6 チョーン(マレーシア)
●男子シングルス3回戦(ベスト16決定戦)の組み合わせ
松平賢二 vs. ハム・ユソン(朝鮮民主主義人民共和国)
吉村真晴 vs. 廖振珽(チャイニーズタイペイ)
張本智和 vs. ウォン・チション(マレーシア)
戸上隼輔 vs. 馮翊新(チャイニーズタイペイ)
篠塚大登 vs. ネール(フィリピン)
国内選考会で優勝し、世界ランキング441位で大会に挑んだ松平賢二は、2回戦で世界ランキング20位の左腕・趙大成を3−1で破った。今回のアジア選手権は来年の世界卓球ドーハ大会(個人戦)の予選会を兼ねており、続く3回戦で勝利してベスト16に入れば、出場枠「24」に入ることが確定する。
日本男子は5選手全員が3回戦に進出している。経験豊富な廖振珽、スピードスターの馮翊新というタイペイの実力者と対戦する吉村と戸上は接戦も予想されるが、地力の差を見せたい。
また、男子シングルス2回戦で、団体戦で世界ランキング1位の王楚欽(中国)を破って注目を浴びたイランの14歳、ベンヤミン・ファラジが同3位の林詩棟(中国)と大激戦。ゲームカウント2−2の最終ゲーム、9−3のリード、10−9のマッチポイントを生かせずに逆転負けを喫したが、中国のトップ選手と互角に戦える実力は「末恐ろしい」という言葉でも足りないほど。イランを取り巻く中東情勢が緊迫の度を増しているのが気がかりだが、またひとり凄い若手が飛び出してきた。
〈女子シングルス〉 ※早田ひなは棄権
●2回戦
大藤沙月 6、5、3 バトムンク(モンゴル)
伊藤美誠 8、3、3 シャハサヴァリ(イラン)
張本美和 6、3、2 チャン・リースアン(マレーシア)
平野美宇 7、7、2 江芷林(香港)
●3回戦
大藤沙月 −10、8、−5、7、6 S.サウェータブット(タイ)
伊藤美誠 2、10、−9、8 A.ムケルジ(インド)
張本美和 5、10、8 金娜英(韓国)
李恩惠(韓国) 11、15、9 平野美宇
●女子シングルス4回戦(ベスト8決定戦)の組み合わせ
大藤沙月 vs. 伊藤美誠
張本美和 vs. バトラ(インド)
女子シングルスは第1シードの孫穎莎(中国)が右腕を傷めて帰国し、個人戦を棄権。また、残念ながらパリ五輪銅メダリストの早田ひなも、オリンピックで傷めていた左腕を再度傷めたことでシングルスを棄権すると発表された。優勝戦線は混沌としてきた。
日本女子は3回戦で平野が李恩恵に苦杯。李恩惠はパリ五輪での団体銅メダル獲得で自信をつけ、緩急や変化に強いパワー卓球を一気に開花させてきた感がある。今後も日本にとっては要注意の選手だ。
ベスト8決定戦で伊藤と大藤が同士討ちとなり、勝者がベスト8に進出。張本は団体戦で勝利したバトラを敗れば、準々決勝で優勝候補の陳幸同(中国)との大一番だ。ここを突破すれば、一気に頂点に駆け上がるチャンスも十分にあるだろう。
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