●女子シングルス1回戦
大藤沙月(ミキハウス) −11、10、5、11 伊藤美誠(スターツ)
大藤沙月、伊藤美誠との手に汗握る熱戦を制し、ベスト8進出!
最後は鮮やかなバックストレートへのバックドライブ2連発で締めた!
1ゲーム目のラブオールから、男子選手並み、いや男子選手以上の強烈な3球目バックドライブを大藤が決め、幕を開けたこの一戦。しかし、1ゲーム目を先取したのは伊藤だ。大藤のツッツキでのレシーブに対して先に仕掛けるのではなく、強打が難しいバック面の表ソフトのツッツキやストップで変化をつけて返し、先に打たせてから狙う。互いにゲームポイントを取り合う中、12−11で伊藤のバックストップがネットインして得点となる。
逆に2ゲーム目は得点の離れないシーソーゲームの中、終盤で大藤にラッキーなネットインがあり、12−10で大藤が取り返す。試合後、伊藤は「試合内容はとても良かったけど、2ゲーム目を取れなかったのが悔しかった」とコメントした。
3ゲーム目、伊藤はそれまでの打たせて狙うプレーから、ミスが出ても積極的に両ハンドで叩きにいく。しかし、2−2から伊藤の強打のミスが続き、大藤が7点連取で9−2。そのまま11−5で勝利に王手をかける。
4ゲーム目、伊藤はバックハンドのコースを早めにストレートに変え、強打を恐れずにフォアを突く。伊藤の意地を見るようなプレーで、伊藤が6−2とリード。6−6に追いつかれるも、9−6から10−9、11−10と2度のゲームポイント。しかし、ここで決め切れない。
11−11から、気配のないバックストレートへのバックドライブで完璧に打ち抜いた大藤。12−11のマッチポイントでも、再びフォアへバックドライブ2連発。鮮やかに勝利を決めた。
試合後のミックスゾーンで、「前回は私が勝っているので対策してくると思っていたけど、しっかり対応できました。自分は向かっていくだけなので、相手が誰であろうと自信を持ってプレーしたい」と力強く語った大藤。「今年1月の全日本選手権で平野美宇選手に0−4で負けて、『このままでは上の選手に勝てない』と思って守りのプレーから攻めのプレーに全部変えました。バックハンドで威力あるボールが打てること、女子選手の中では動けることが自分の強みだと思います」(大藤)。
中国メディアからも取材を受けるなど、世界的にも注目を浴びている大藤。中国メディアの「世界ランキングが8位まで上がると想像していたか?」という質問には「ここまで来られるとは全然思っていなかったので、今すごく楽しいです」と笑顔で語っていた。
一方の伊藤は試合後、涙を見せる場面もあったが、試合を振り返れば「さすが伊藤美誠」というプレーも随所に見られた。「大会前に希望が丘高の男子選手と良い練習ができて、今日は動けていた。周りの方は勝敗を気にするし、結果だけを見て『また同士討ちで負けた』と思われるのは悔しい。結果で挽回したい」と前向きに語った。
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