●女子シングルス準々決勝
スッチ(ルーマニア) 12、3、5 大藤沙月(ミキハウス)
女子シングルス準々決勝、大藤はスッチにストレートで敗れ、ベスト8……!
ラリーになれば、自在なコースに放つ大藤の両ハンドがスッチを圧倒することは容易に予想できた。しかし、卓球は難しい。1ゲーム目の入りから、スッチの上回転の強いフォアのしゃがみ込みサービスに対し、レシーブが定まらなかった大藤。1ゲーム目、7−10とスッチにゲームポイントを握られたところから逆転し、11−10、12−11と2回のゲームポイントを取るも決めきれず、12−14で落とす。
2ゲーム目以降もレシーブに苦しみ、スイングは大きいが思ったほど飛んでこないスッチのクセのあるボールに、カウンターもなかなか決まらない大藤。対照的に、スッチは大藤の焦りを見透かすように、バック対バックでは早いタイミングでフォアを攻め、大きく揺さぶる。
ゲームカウント0−2の3ゲーム目、少しずつ声を出し、フォアの強打も決めた大藤だが、最後までレシーブが定まらず。4−5から5点連取で4−10とマッチポイントを握られ、5−11で敗れた。勝利の瞬間、スッチはひざまずいて歓喜を表した。
試合後のミックスゾーンで、「まだまだやることがたくさんあるなと感じました」と語った大藤。「1ゲーム目からサービスに全然対応できなくて、自分がイメージしていたサービスと全く違う感触だった。ヨーロッパ選手に苦手意識はないですけど、初めて対戦する相手にうまく対応しきれない部分があるので、そこはたくさん経験してこれから勝っていけるようにしたい」(大藤)。
世界ランキングを8位まで上げた躍進の1年の最後に、ひとつの宿題をもらった大藤。この敗戦を糧に、さらなる成長を期す。
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