●女子シングルス準々決勝
王芸迪(中国) 8、12、−10、7 張本美和(木下グループ)
張本美和は王芸迪と接戦を演じるも、1−3で惜敗。
女子シングルスに5人が出場した日本女子、これでシングルスでの戦いが幕を閉じた。
「自分のプレーは安定していたけど、1ゲーム目から相手のボールが伸びたり、回転がかかっていたりして、そのボールにうまく合わせられなかった」と試合後に語った張本。バック対バックを中心に、互いに相手を締め付けあうような緊迫したラリーが続くが、王芸迪の回転量の多いボールにややミスが多くなる。
1ゲーム目を8−11で落とした2ゲーム目は、張本が4−2、7−4、9−6と終始リードを保つも、9−8まで追い上げられて張本がタイムアウト。9−10と逆転されるもジュースに追いつき、張本が11−10とゲームポイントも握ったが、決められない。12−13の王芸迪の3回目のゲームポイントで、今度は中国ベンチがタイムアウト。互いに勝負と見た2ゲーム目、最後もバック対バックのラリーを制した王芸迪が14−12で制す。
3ゲーム目は1−5と大きく離され、「万事休す」かと見られた張本。しかし、ここから相手のバックに偏っていたコースをフォアをうまく混ぜ、バック対バックではフラットに当てて緩急をつけるボールなども混ぜて、王芸迪を崩す。9−10と一度はマッチポイントを握られながら、思い切ったフォアへのチキータでしのいだ張本が、12−10として1ゲーム目を返す。
4ゲーム目もハイレベルなラリーの応酬。観客席の中国女子チームも、大きな声を出して王芸迪に声援を送っていた。「張本美和が最後で最大のライバル」という雰囲気が漂っていた。このゲーム、6−4までリードした張本だが、最後はやや強打による失点が多くなり、7−7から4点連取を許して7−11で敗れた。
敗れたとはいえ、様々な技の引き出しを開け、多彩な得点パターンを見せた張本。しかし、「今日はラッキーボールが多く、ナイスボールは少なかった。自分のほうにミスが多くて、相手に土台の部分で追いついていなかった」と冷静にプレーを分析した。
「来年はまず全日本選手権で優勝することが目標。国際大会も増えるので、体調に注意しながら参加したい」(張本)。パリ五輪後もTリーグに国際大会と、「超」がつくほどハードなスケジュールを戦ってきた張本。少し休息も取りながら、今後のさらなる成長を期待したい。
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