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欧州リポート

ドイツ男子の五輪銀メダルトリオは欠場へ。欧州各国の世界選手権エントリー状況

 9月30日の開幕が迫っている2022世界選手権(団体戦)。9月9日にようやく出場国が発表され、開幕からおよそ2週間前の現時点でも各国のエントリー選手が発表されておらず、タイムテーブルも未発表と、準備がもたついている印象だ。そんな中でも欧州各国から世界選手権へのエントリーの情報が入ってきている。すでに発表されている欧州各国のエントリーは下記のとおり。(カッコ内は現在の世界ランキング)

 

【男子】

ドイツ:チウ・ダン(9位)、ドゥダ(36位)、ワルサー(74位)、シュトゥンパー(100位)、ムン・ファンボー(101位)

スウェーデン:モーレゴード(6位)、K.カールソン(17位)、シェルベリ(20位)、ファルク(34位)、Jon.パーソン(38位)

フランス:ゴーズィ(28位)、ルベッソン(45位)、A.ルブラン(29位)、F.ルブラン(75位)

●ポーランド:クビク(89位)、クルチェツキ(149位)、レジンスキー(265位)、グレラ(553位)

 

 一番のサプライズはドイツの東京五輪団体戦銀メダルメンバーであるオフチャロフ、ボル、フランチスカが揃って欠場となったこと。今大会は先日のヨーロッパ選手権で頂点に立ったチウ・ダン、中堅のドゥダとワルサー、そして19歳のシュトゥンパーと21歳のムン・ファンボーという布陣で挑むこととなった。この決定に関してドイツ卓球協会スポーツディレクターのプラウゼは「今回の世界選手権では世界ランキングポイントが各選手に与えられないことが判明して、このメンバー構成になった。まだ世代交代を考えているわけではないが、若い彼らには責任を持って戦ってもらいたい」とコメント。男子ドイツ代表監督のロスコフは「次世代の選手たちに、若いうちに責任を持って戦うチャンスを与える必要がある。彼らはプレッシャーのかかるゲームに対応していく方法を学んでほしい」とメッセージを送った。

 ちなみにオフチャロフ、ボルは8月のヨーロッパ選手権の前に故障していたこともあって今回は欠場、フランチスカは第一子が生まれたばかりで、それに配慮して欠場とのことだが、世界選手権終了後に中国で開催予定(未だ正式発表はなし)のWTTチャンピオンズとWTTカップファイナルには出場する見込みとのこと。ランキングポイントの有無があるとはいえ、世界選手権を欠場してその直後のWTTには出場というのも不思議な印象を受けるが…。とはいえ、ドイツは昨年のヨーロッパ選手権団体戦でも、オフチャロフとボルが欠場しながら優勝。今大会も上位候補であることには変わりない。

今大会はエース起用が予想されるチウ・ダン

 

 ドイツがそのような状況である一方、スウェーデンは現時点での最強メンバーでエントリー。覚醒したモーレゴードに、経験、実績ともに豊富なファルクとK.カールソン、ドイツ・ブンデスリーガで2シーズン続けて個人成績1位に輝いたシェルベリと、多彩なタレントが揃う。現時点で最後の世界選手権団体戦となっている2018年大会、モーレゴードとシェルベリは予選リーグ1試合の出場のみだったが、今大会は主力として期待がかかる。ワルドナー、パーソンらを擁した黄金時代を知るスウェーデンの卓球ファンからすれば、ワクワクが止まらない顔ぶれだろう。

モーレゴードは昨年の「個人戦に続いて大暴れなるか

 また、フランスはここ最近目覚ましい活躍を見せるルブラン兄弟がメンバー入り。エースのゴーズィに元ヨーロッパ王者のルベッソンとのラインナップは、アジア勢にも対抗できるだろう。ポーランドは昨年の世界選手権個人戦で張本智和を破ったディヤスが出場を辞退。2番手のバドフスキーも故障の影響で欠場となっており、10代後半から20代前半の若手だけで大会に臨む。

初の世界選手権代表となったルブラン兄弟(写真提供:WTT)

 

【女子】

●ドイツ:ハン・イン(8位)、ミッテルハム(13位)、シャン・シャオナ(18位)、ヴィンター(46位)、カウフマン(125位)

●スウェーデン:ベリストロム(51位)、シェルベリ(66位)、ベルガンド(219位)、ハンソン(305位)

●フランス:シャスラン(136位)、Ch.ルッツ(166位)、パヴァデ(108位)、ユエン・ジアナン(25位)

●ポーランド:バヨル(81位)、パルティカ(145位)、K.ヴェグジン(285位)、A.ヴェグジン(191位)

 

 ドイツは女子でもP.ゾルヤが故障のため欠場。しかし、帰化選手規定による制限が解除され、昨年の世界選手権個人戦から世界選手権への出場が可能になったハン・イン、シャン・シャオナのベテラン2人に、8月のヨーロッパ選手権女子シングルスで準優勝に輝いたミッテルハムと強力なメンバーが揃った。フランスは帰化選手のユエン・ジアナンが軸になるが、18歳・パヴァデの躍進にも期待したい。

ドイツ女子は力をつけているミッテルハムの活躍に期待(写真提供:ETTU)

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