【専修大】
秋リーグでは9シーズンぶり(中断期間を除く)43回目の優勝を飾った専修大。チーム内での4年生の存在感は大きく、加藤監督も「4年生が頑張った。4年生を中心にチームの問題を乗り越えたから、今回(秋リーグ)優勝できた」と語るほど。主将の大島を始め、永道、岡本、平田と4年生全員がリーグ戦に出場し、有終の美を飾った専修大。来年は戦力ダウンが予想されるが、4年生の背中を見て育った後輩たちが来年以降も優勝を重ね、専修大の歴史を築いていけるか。
主な4年生:大島奈々、永道麻依加、岡本彩里、平田梨花
【日本体育大】
春に2部で優勝し、秋は創部初の1部優勝にあと一歩のところまで迫った日本体育大学は、秋リーグで2人の4年生が躍動。髙橋は工藤(中央大)、岡崎(東洋大)ら各校のエース級の選手を撃破し、東京富士大戦ではプレッシャーのかかる7番でストレート勝利を納めるなど、主将としての実力を十分に発揮。関口も日本大戦の6番で勝利するなど、4年生の意地を見せた。他にも、パラリンピック日本代表の友野も日本体育大の4年生。リーグ戦への出場はなかったが、日本体育大の一員として4年間を過ごした。
主な4年生:髙橋花、関口綾乃、岡野莉奈、友野有理
【中央大】
春リーグ優勝の中央大には主将で国体少年女子3位の青木、インターハイ団体優勝経験を持つ大川、国体北海道代表の伊藤と、実力十分な3人の4年生が在籍。1年生ながら1部で13勝をあげているモンスター・枝廣を始めとした超大学級の後輩たちをまとめた4年生。実力もさることながら、チームからの信頼感も厚く、常勝軍団の精神的支柱となった。
主な4年生:青木千佳、大川千尋、伊藤佑希子
【早稲田大】
70年以上の歴史を誇る早稲田大女子卓球部。今年は4人の4年生が在籍し、主将の黒野は通算成績15勝2敗で特別賞を受賞。コロナの影響で臙脂(えんじ)色のユニフォームに袖を通す機会は少なかったかもしれないが、4年生はそれぞれが伝統を受け止め、早稲田の名に恥じない活躍を見せた。
主な4年生:黒野葵衣、曽根原睦、中島彩希、真鍋雅
【東京富士大】
2024年3月31日をもって活動停止となる東京富士大。4年生の千葉は単複で出場し、チームの勝利に貢献。
主な4年生:大和田凛、千葉菜月、宮田保野花
【東洋大】
2019年、当時関東学生リーグでは2部に所属し、インカレでも表彰台に立ったことのなかった東洋大の歴史を動かしたのが現在4年生の岡崎と青木萌だ。1年時から単複で起用され、19年のインカレでは準優勝、秋リーグでは2部で優勝し1部昇格を果たす。その後はコロナウィルスの影響で2年間リーグ戦が開催されなかったものの、今年の春リーグでは1部3位に。2部でくすぶっていた東洋大を大学トップクラスへと押し上げた4年生。間違いなく、東洋大の歴史に刻まれる世代だろう。
主な4年生:青木侑生、青木萌恵、岡崎日和、稲葉文子、江口詩織、加藤杏菜、菊池愛蘭、廣岡瑞樹
【日本大】
日本大女子卓球部の部員数は関東トップクラスの18名。その大所帯の中心となったのが5人の4年生だ。秋リーグには高山、渡辺、何湛然の3選手が出場。特に、全試合7番に組み込まれた何湛然は、最終戦となった早稲田大戦の7番で中島にフルゲームの接戦の末勝利。1部通算4勝10敗となかなか勝ちがつかめずにいたが、最後の最後で大きな1勝をつかんだ。日本大は1部7位で入れ替え戦にまわるも、國學院大に勝利し1部残留。後輩たちへバトンを繋いだ。
主な4年生:高山結女子、渡辺美華、何湛然、柳内碧、工藤向日葵
【筑波大】
男子と同じく少数精鋭でリーグ戦に臨んだ筑波大。秋リーグでは惜しくも2部降格となってしまったが、4年生の平川、中田はともに1部で通算9勝をあげる活躍を見せた。
主な4年生:平川咲、中田玲奈
高校とは違い、自由度が増す大学生活。平日は大学で授業を受け、放課後はサークルや飲み会に行き、休日は友達や恋人と過ごす。体育会に所属し、ほぼ毎日練習を行う選手たちは、そんな絵に描いたような大学生活は送れなかったかもしれない。なかなか試合が開催されず、やり場のない悔しさを覚えたかもしれない。思うような結果が出せず、全てを投げ出したくなる時もあったかもしれない。それでも、応援してくれている人のため、家族よりも長い時間を過ごした仲間のため、大学で卓球を続けると決めた自分のため、一心不乱に4年間を駆け抜けた。
ただ一つ言えることは、この4年間は選手たちにとって、何ものにも代え難い、一生色褪せることのない4年間だったということ。就職、進学、はたまた留年、この先の人生で卓球を続ける選手も、そうでない選手もいるだろう。どの進路に進むにせよ、この4年間はきっと人生の糧になる。きっと、明るい未来が待っている。
秋季関東学生リーグの様子は卓球王国12月号に掲載中!
ツイート