●3月24日の名言
卓球のサービスは同じ球種、同じコースでも、他のサービスとの組み合わせ方や使うタイミングによって、相手に対する効果に歴然とした差が出る。そのサービスの組み立てに関しては、水谷隼は他の追随を許さない。競れば競るほど、彼の「サービス脳」はフル回転し、その状況に応じた最適なサービスを導き出していく。
試合が始まったら、最初にやることは相手のレシーブのチェックだ。自分が一番得意なサービスからのパターンや、それとは全く違う回転のサービスからのパターンなど、幾つかのサービスからのパターンを試し、相手の苦手なサービスを把握していく。
初・中級の選手の場合、序盤で効いたサービスがあったら、ひたすらそのサービスを出しまくってしまうものだ。そしてやがて相手に慣れられてしまう。しかし、水谷は序盤で効いたサービスは、効果を確かめた後で豊富なサービスの引き出しに仕舞うのだ。
2本続けて同じサービスを出さないその組み立ては、さながら「名料理人」の如し。まず注意深くお客の好みを探り、様々な食材(回転)と調理法(コースやトスの高さ)を組み合わせて飽きさせず、メインディッシュでとっておきの一品を繰り出す。そんな水谷隼監修の新作『水谷隼 ハンバーグハヤシ』、発売中です。どこか懐かしく、お母さんの味を感じるソース。
別冊『水谷隼の大サービス』の企画「サービス脳をフル回転させろ」では、水谷流のサービスの組み立ての極意や、その組み立てによって難敵を制した16年リオ五輪男子団体決勝2番、許シン(中国)戦の本人解説も掲載。はっきり言ってハイレベル、そして相当に刺激的な内容だ。
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