卓球王国(以下王国)は1997年1月に創刊した。それまでは卓球メーカーの専門誌があったが、王国ならではの用具特集が売りだった。つまり、すべてのメーカーの用具を名前入りで紹介できるという点だ。
創刊2年目の全日本選手権で実行したのは、全日本ランカー男女16名ずつの用具調査だった。卓球選手はトップ選手がどのラバーとどのラケットを使っているのかを気にする。トップ選手が使用している情報が流れれば、卓球ショップでの売上にも影響するのだ。全日本上位の32名の用具の名前を載せることは卓球メーカー誌ではできなかった。自分のメーカーの用具を使っていればよいのだが、他社の商品名を載せることはできないからだ。
もちろん、この特集を嫌がる卓球メーカーも当時はあった。宣伝では「このラバーはみんなが使っている」とうたっているのに、王国の用具データでは違う。「意外とこの宣伝しているラバー、ラケット、使われていないじゃないか」と愛好者にバレてしまうわけだから。
卓球王国最新号(1月20日発売)では過去の全日本選手権24大会のベスト8(ベスト16でなくてごめんなさい)の使用用具を振り返り、掲載した。懐かしくも、市場の流れがわかるようなページの出来上がり。詳しくは本誌で。
*写真は第1回の用具の調査を掲載した1998年(平成10年)全日本男子シングルス優勝の偉関晴光。使用ラバーは「JUIC999」だった
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