本日より愛知・スカイホール豊田で競技がスタートした第50回記念全国高等学校選抜卓球大会。各都道府県で代表校を決定するインターハイとは異なり、各地域ブロックから代表を決定するため、インターハイとは少し違った顔ぶれを見ることができるのも選抜ならでは。また、記念大会ということで出場枠も増えており、より多彩なチームが集う大会となっている。ここでは大会初日、会場で注目したチームの戦いをピックアップ。
まずは、現在発売中の卓球王国2023年5月号の『潜入ルポDX』でお邪魔させていただいた東京・足立学園。選抜には2年連続2度目の出場だが、前回大会では予選リーグ0勝2敗で敗退。今大会も第1戦で関西（岡山）と接戦を展開しながら1-3で敗戦。続く第2戦の清凌（岐阜）戦もダブルスを終えて1-2とリードされたが、4番で勝利をあげて追いつくと、ラストで主将の原田尚輝が決めてうれしい選抜初勝利。足立学園はインターハイ学校対抗への出場経験はなく、全国大会団体戦での初勝利になった。
足立学園に選抜初勝利をもたらした主将の原田尚輝
学校のスローガンは「志（ゆめ）なき者に成功なし」。潜入ルポDXもどうぞご覧ください
その足立学園に悔しい逆転負けを喫した清凌も近年力をつけている好チーム。2007年度全日本ジュニアベスト8の谷村直樹監督がチームを率いるが、ゲーム間には選手同士でもアドバイスを送るなど、チーム一丸でフレッシュな戦いぶりを見せている。
清凌を率いる谷村直樹監督
足立学園と清凌と同じリーグでは、青森山田（青森）にも注目。ジュニアのみならず一般まで日本卓球界を席巻していた頃とは強化体制も変わったが、OBであり2007年度全日本ジュニア3位の山谷仁生監督に率いられ、2013年度大会以来の選抜出場を果たした。ここまで関西と清凌に敗れ0勝2敗となっているが、明日の足立学園との予選リーグ最終戦で勝利なるか。
選抜に帰ってきた「ヤマダ」。写真は単複出場の川嶋健太
1年生主体のチームで昨年のインターハイ学校対抗に初出場、さらに初勝利も果たした広島・呉青山も選抜に初出場。今日の第1戦では東奥学園（青森）を破って選抜初勝利を記録した。第2戦ではチームの指揮を執る木下裕介監督の母校・上宮（大阪）と対戦。1-3で敗戦となったが、まだまだ強くなりそうなチームだ。
呉青山を単複で引っ張る烏田東と有川綜馬
東奥学園を下し選抜初勝利
帝京安積（福島）は長らく指揮を執った熊谷勝明監督が昨年のインターハイで勇退。今大会からOBである田巻隼一新監督がベンチに入った。第1戦では北科大（北海道）に2-3で競り負けたものの、続く倉敷工業（岡山）に3-1で勝利し、田巻監督体制での全国大会団体戦初勝利をあげた。大学卒業後は卓球スクール・TACTIVEに勤務していた田巻監督。当時から仕事でもお世話になっていたが、その人柄は真っ直ぐで誠実、絵に書いたような好青年。熊谷前監督の情熱を引き継ぎ、これから素晴らしいチームを作ってくれるはずだ。
選抜で初めてベンチに入った田巻隼一監督
倉敷工業戦で勝利を決めた伊藤翔太
今大会、男子学校対抗には岐阜から4校が出場し、4校中3校が勝利をあげているが、中でも注目は唯一2勝で初日を戦い終えた岐南工業。第2戦では前回大会ベスト8の明秀日立（茨城）に3-2で勝利。決勝トーナメント進出をかけ、明日の都城商業（宮崎）との大一番へ挑む。
明秀日立戦5番で勝利の恩田竜次
女子ではチーム一丸、元気いっぱいの戦いぶりで2勝をあげた郡山女大附をピックアップ。四学香川西（香川）戦では1-2とリードされたが、4・5番を奪い返して逆転勝利。決勝トーナメント進出へ大きな1勝をあげた。
ハツラツとした戦いぶりに好感の持てる郡山女大附
椿萌菜の勝利で初日を2勝フィニッシュ
早稲田実業（東京）は勝利こそあげられていないが、正智深谷（埼玉）戦で堀江こぺりが単複2勝と大暴れ。強豪を相手に堂々のプレーを見せた。
正智深谷から2点を奪った堀江こぺり
また、京都成章（京都）は明豊（大分）を相手に2-3まで食らいつき存在感を放った。パワフルなドライブとガッツが光る岡本香菜は明豊戦で勝利し、桜丘（愛知）戦でも主軸の伊藤ゆづきをゲームカウント2-0まで追い詰めた。
迫力満点のプレーを見せる岡本香菜
2006年インターハイ女子シングルス女王の大内弘恵（旧姓：宇土）さんが外部コーチとして指導に携わる中津南（大分）も今大会に出場。歴史あるインターハイ常連校・白子（三重）を下して1勝をあげた。続く四天王寺（大阪）戦は完敗だったが、今年の夏は明豊を破ってのインターハイ出場を狙う。
全国常連の白子を破って1勝をあげた中津南
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