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インタビュー

大会を陰で支える『卓球大会運営のスペシャリスト』

卓球大会の運営に特化した会社を作った島立は、全日本選手権、ジャパンオープン、東京選手権、Tリーグといった国内の主力大会の仕事を行うようになる。

「建築設計やインテリアデザインの経験を生かして、会場の図面を引いたり、警備計画など、仕事は多岐にわたります。卓球会場の図面を引いた数では日本一、もしかしたら世界一かもしれませんね(笑)。

ぼくが大会の裏方の仕事を始めたころは、大会運営はアナログで行われていましたが、デジタル化できる部分を増やしていきました。それによって、運営側だけではなく、選手や観客にとってより良い大会にしていきたい。今は多くの大会がかなりデジタル化できていると思います。デジタル化など新しい試みをさせてもらえていることに感謝しています」

 

東京オリンピック・パラリンピック卓球競技会場にて

 

2019年からは、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会メンバーに入った。大会延期もあったが、この1年はオリンピックの仕事がメインになった。

「自分のキャリアの中で、この東京オリンピック・パラリンピックでどれだけレガシーを残すことができるのか。この仕事で経験したことを今後の大会運営に生かしていかなければいけません」

これほど多くの大会を裏方として支えている島立だが、自分の仕事については「まだまだ素人で、自分が大会運営のスペシャリストだとは思えないですね。やるたびに勉強させてもらっています」と謙遜する。

そんな島立にとって、大会運営という裏方の仕事のモチベーションとは何なのか。

「一番のモチベーションはもっと卓球のステータスを上げたいということですね。いろいろな競技がそれぞれの魅力を伝えていく中で、卓球が取り残されることなく、その魅力をもっと伝えていきたい。そして、誰もが感動する、選手たちの最高のパフォーマンスの舞台を作りたいと奮闘しています」

 

◆PROFILE

島立英樹(しまだて・ひでき)

1965年7月14日生まれ、東京都出身。中学、高校と卓球部に入り、それが縁で卓球運営会社『TABLE TENNIS PROJECT』を起業。同社の代表取締役を務める

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