中国・重慶の華西国際スポーツ文化センターで行われていた『WTTチャンピオンズ重慶2025』は、3月16日に大会最終日を迎え、男子シングルスは王楚欽、女子シングルスは孫穎莎の優勝で幕を閉じた。両種目の準決勝・決勝の結果は下記のとおり。
〈男子シングルス〉●準決勝
王楚欽(中国) ー10、5、6、5、7 張本智和
林詩棟(中国) ー8、5、8、7、8 梁靖崑(中国)
●決勝 王楚欽 5、ー6、7、5、6 林詩棟
日本勢で男女を通じて唯一、準決勝に勝ち上がっていた張本智和は王楚欽と対戦。1ゲーム目から王楚欽と激しい両ハンドのラリー戦を繰り広げ、12ー10と幸先良く1ゲームを先取したが、王楚欽の何本でも打ち込んでくる両ハンド強打と、正確なミドル攻めに2ゲーム目以降は主導権を奪えず。
張本はほぼベストのプレーをしたが、要所で見せる王楚欽の回り込み強打は反応の壁を突き破るほどだった。王楚欽は決勝でも林詩棟に快勝し、アジアカップに続いての優勝。間もなくシンガポールスマッシュ2024の優勝ポイント「2000」が消失するため、世界ランキング1位に返り咲くことはできないが、地元・中国での大会で改めて存在感を見せつけた。
相手の戦意を喪失させるほどのパワードライブを見せた王楚欽が戴冠
林詩棟は闘志満々の先輩・王楚欽に敗れ、準優勝
王楚欽と激しいラリー戦を展開した張本智和。1ー4で敗れるも、3位入賞
日本男子の田㔟邦史監督は、帯同する最後の国際大会。試合後、張本とベンチで涙を見せた
〈女子シングルス〉●準決勝
孫穎莎(中国) ー9、ー9、9、6、11、5 王芸迪(中国)
陳幸同(中国) 7、ー8、ー7、2ー4(棄権) 王曼昱(中国)
●決勝 孫穎莎 7、4、10、7 陳幸同
女子シングルス準決勝は、第1試合で孫穎莎が王芸迪を0ー2からの逆転で下し、決勝進出。続く第2試合で王曼昱が陳幸同をゲームカウント2ー1とリードし、アジアカップに続いて孫穎莎と王曼昱の頂上対決が実現するかと思われたが、4ゲーム目の4ー2とリードした王曼昱にまさかのアクシデント。左腰に手を当てながらインジュリータイム(負傷時のタイム)を取り、そのまま途中棄権となった。
決勝では、孫穎莎が4ー0で陳幸同を圧倒。アジアカップ決勝で0ー4で敗れた王曼昱とのリベンジマッチを期待していたファンも多かったはずだが、両選手の対戦は次回以降へと持ち越された。近年、体調不良や故障が増えている王曼昱。5月の世界卓球個人戦には万全の状態で臨んでもらいたい。
満員の大観衆からの声援にも、クールに応えた孫穎莎
混合ダブルスを組む王楚欽とふたりで、表彰で自撮り
思わぬ形で決勝進出を果たした陳幸同。孫穎莎からゲームを奪うことはできず
準決勝の陳幸同戦で、主導権を握りかけていた王曼昱だが、無念の途中棄権
会場の華西国際スポーツ文化センターには、連日満員の観客が詰めかけた
●写真提供:WTT
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