かつてのITTF(国際卓球連盟)ワールドツアーに代わり、2021年に始動したWTT(ワールド・テーブルテニス)。発足から5年間の歩みを振り返るプレスリリースが発表され、その圧倒的な成果と未来へのビジョンが提示された。
- ●驚異的な視聴数と観客動員数
24都市で開催された25のWTTシリーズイベントを通じ、2025年シーズンの世界累計テレビ放送リーチ(延べ視聴者到達数)は55億人、累計視聴者数は30億人に達し、世界126の国と地域で生中継された。会場に訪れた観客数は前年比60%増の約49万人にのぼり、その大半を35歳未満が占めている。かつてレジャーとして親しまれてきた卓球は今、高い商業的価値を持つ「プレミアム・グローバル・プロパティ」へと変貌を遂げた。
- ●デジタル戦略による圧倒的成長
デジタルおよびソーシャルメディアの活用がこの躍進の中核を担っている。WTTのグローバルコミュニティは1,100万人以上のフォロワーを抱えるまでに成長。シーズンを通じて74億回のインプレッション、22億回以上の動画再生を記録した。YouTubeチャンネル単体でも5,630万人のユニーク視聴者がライブ配信を視聴している。 また、WTT公式サイトは2,300万人のユニークユーザーと8,480万回のページビューを記録。公式アプリは、ランキングや試合経過をリアルタイムで追う熱心なファンにより、計1,380万回起動された。
- ●若年層と女性ファンが牽引する「ポップカルチャー」への浸透
WTTの視聴層は世界的に18歳から34歳の若年成人層が中心となっている。SNSの男女比はほぼ均衡しており、特に中国では女性ファンがフォロワーの過半数を占める。会場の熱気も同様で、若者や女性が主役の観客席は、従来のスポーツの枠を超えた一流エンターテインメントブランドの様相を呈している。 さらに卓球は今、映画やメインストリームの物語の題材としても頻繁に登場している。こうしたポップカルチャーとのクロスオーバーは、卓球の物語や個性が専門家コミュニティの外側まで広く共鳴している証左といえる。

- ●革新的な舞台演出と選手層の拡大
WTTの代名詞となった会場設営「インフィニティ ∞ アリーナ」は、照明を落とした空間で一台のテーブルのみを照らし出す。音響や演出と融合したこの「WTT体験」は、会場でもモバイル画面越しでも、エリート卓球のスケール感を最大限に引き出している。 選手層の厚みも増しており、2025年にはトップ王者から各地域の新星まで1,600人以上の選手が参戦した。伝統的な強豪国が実力を維持する一方で、新興市場からも次々と挑戦者が現れており、トップレベルの大会への出場権争いは激化の一途をたどっている。
- ●経済的価値とメディアの反応
2025年シーズン、WTTに関するオンラインニュースは世界で10万4,000件以上生成され、推定インプレッション数は92億回、広告換算価値は34億米ドル(約5,000億円)に達した。特に中国では、放送視聴率トップ20のうち18番組を卓球が独占するなど、圧倒的な人気を誇っている。
● WTT スティーブ・デイントンCEOのコメント
「今回の総括は、我々の確信を深める出発点となりました。これらの数字は、卓球には元来絶大な人気がありながら、それを適切に露出させる手段が長らく欠けていたことを裏付けています。今、我々が構築してきたプラットフォームが真に機能し始めました。現代的な商業アプローチによって、数十億のリーチと、若く女性中心のファン層を獲得できたことを誇りに思います」

WTTのスティーブ・デイントンCEO