本日8月1日に発売された卓球王国9月号別冊『KASUMI』~石川佳純のすべて~。
5月に現役を引退した石川佳純さんが「自分の卓球人生をまとめた一冊を作りたい」という思いで監修を務め、何度も打ち合わせを重ねた……という経緯は「製作の裏側その2」で書いている。
別冊『KASUMI』は、7歳で卓球を始めた少女が、一気に世界の舞台へ駆け上がり、数々のタイトルと私たちの記憶に残る名勝負を繰り広げて、30歳でラケット置いた石川佳純さんの卓球人生を「写真と文章」で振り返る内容を主に構成されている。
もちろん、振り返りだけではなく、石川さんがファンへの感謝を込めた単独インタビューや、SNSで質問を募集した「カスミに聞く162の質問」、石川さんのスマートフォンに残されているプライベート写真を集めた「かすみんのオフショット」など、これまでにない新たなページも入っている。石川佳純のファンはもちろん、卓球を愛する人にも手にしてもらいたい一冊になっている。
さまざまな企画の中でも、特に貴重なページがオードリーの若林正恭さんとの「ラリー対談」ではないだろうか。事前に石川佳純さんに「対談したい相手を考えておいてください」と伝え、数日後に彼女から「(若林さんの)スケジュール的に難しいとは思いますが、できることならオードリーの若林正恭さんと対談をさせていただきたいです」という連絡をもらった。「若林さんの負担にならないよう、無理なさらずで、とお伝え下さい」という最後の一文に、石川さんの心遣いを改めて感じていた。
知人を通じて若林正恭さんのマネージャーさんの連絡先を教えていただき、対談のお願いを伝えると、若林さんからOKの返事をいただくことができた。
実際の対談ページの中で若林さんも話しているが、石川さんとの対談のオファーが来る前に、石川さんがインスタグラムで「別冊『KASUMI』の打ち合わせ中」というストーリーズを見ていて、「アマゾンで先行予約しておかなきゃ」と思っていたという。そうしていたら「石川さん(卓球王国)から対談のオファーが来ています」とマネージャーさんに言われて、「え、俺に? うそでしょ」と思ったという。
対談当日はお互いにファンを公言しているだけに、石川さんは若林さんの番組に詳しく、若林さんは石川さんの試合やメディア出演に詳しかった。若林さんの「石川佳純通」は想像の遥か上をいっていて、リオ五輪や東京五輪の試合のコアなシーンや、5度目の優勝を飾った全日本選手権については、熱烈な卓球ファンと同等もしくはその少し上をいっているほどだった。対談は終始和やかなムードで進み、50分という限られた時間であったが、その間に沈黙は1秒もなく、話題に尽きなかった。
対談を終えてひとり帰路につく頃に、石川さんからLINEが届いた。
「今日は対談をありがとうございました。これまでたくさんのインタビューをしてもらいましたが、今日の対談は私にとって生涯忘れることができない尊いものになりました。若林さんをはじめ、卓球王国さんのお陰です。本当にありがとうございました」
石川さんが生涯忘れることができないと言った若林正恭さんとのラリー対談。別冊『KASUMI』でしか読むことができないスペシャルな対談を、ぜひ読んでみてほしい。
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