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帰ってきた女王の言葉vol.1[おかえり! カスミン]

優勝後の記者会見では思わず涙がこぼれた

「ないって言ったらウソになるけど、

今は悩んでいる場合じゃない。

悩む暇があったら練習しなきゃと思う」

 

――悩んだ時期はないの?

石川 ないって言ったらウソになるけど、今は悩んでいる場合じゃない。悩む暇があったら練習しなきゃと思う。

――ここまでで節目になったことは?

石川 去年の世界選手権(モスクワ)が終わってから、自分の生活や練習も変わったし、コーチも変わった。オリンピックに出場したいし、シングルスは2枠で、本当に厳しいと思います。モスクワの時は私は世界ランキングが30位台だったし、上には10位台の人が2人いたし、あの時、私がオリンピックに出たいと言っても、周りから無理じゃないのという目で見られていました。

――いつぐらいからロンドンへの道が見えてきたんだろう?

石川 道が見えたというよりも、練習を多くするようになった。練習環境もたくさんの人に良い環境を準備してもらった。やりたいことをたくさんやらせてもらったし、前よりも貪欲になったし、卓球を研究、理解しようという気持ちは前よりも強くなった。

――これからプロツアーもあり、ロンドン五輪出場のための国内競争がある。

石川 仲間と競争するのが一番きついです。

――最近は遠征に行く時にお母さん(久美さん)が帯同してますね。

石川 モスクワが終わってからですね。心強いですね。技術的な指導もしてもらいます。「コラーッ!」と怒られることはないですよ(笑)、注意は受けますけど。

――どんな選手になりたいですか。

石川 オリンピックでメダルを獲りたい。憧れを持ってもらえるような選手になりたいですね。

――石川佳純の強さって何だろう?

石川 今年の優勝は勢いと若さで取ったもの。もし、このまま来年も同じようにやったら絶対優勝できない。自信にはなったけど、満足はしてない。中学2年でベスト4に入った時に満足しちゃって、練習しなくなったことがあって、反省したんですよ。今は応援してくれる人もいるし、頑張りたいです。

全日本直後のイングランドオープンで世界ランキング4位の郭躍を破り、2月の世界ランキングでは8位に躍進した石川佳純。まさに日本のエースとして世界の檜舞台へ踏み出そうとしている。

ロッテルダムの世界選手権が終わるまでは、熾烈な国内競争が続く。夢の五輪出場に向けて一歩ずつ前進しながら、この恐るべき17歳の進化はまだ止まりそうにない。  (文中敬称略)■

●インタビュー・2011年1月24日

石川佳純●いしかわ・かすみ

1993年2月23日生まれ、山口県出身。06・07年と中学生ながら全日本選手権で3位入賞。07年世界選手権に史上最年少の14歳3カ月で出場し、09年世界選手権ではベスト8に進出。10年12月の世界ジュニア選手権では女子団体初優勝の原動力となり、シングルス・ダブルスでも準優勝と活躍した。11年1月の全日本選手権で女子シングルス初優勝、高校生としては22年ぶりの全日本女王に輝く。ミキハウスJSC所属、四天王寺高3年、世界ランキング8位(11年2月)*所属等は当時の表記

 

 

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