星槎(神奈川)が男女団体、男女シングルスで4冠を達成した新潟全中。男子団体の第1ステージでは、えんじ色のウエアに身を包んだ早稲田実業(東京)に選手たちが躍動した。初戦で強豪の長井南(山形)を3−2で破り、2戦目では松徳学院(島根)に敗れたが、全中で大きな1勝を手にした。
●男子団体第1ステージ
早稲田実業 3−2 長井南
松徳学院 3−0 早稲田実業
早稲田実業は私立校であるがスポーツ推薦はなく、卓球部員は受験もしくは初等部からの選手たちだ。勉学に努めながら「週5日」の部活動で腕を磨き、念願の団体戦での全中出場を勝ち取った。
「早稲田実業卓球部は長い歴史がありますが、全中にはなかなか手が届きませんでした。今回、1年に長本有生と濱野友希という小学生時代に団体戦で全国優勝を経験している選手が入学したことで、チームの指揮が高まり、先輩たちも『全中に行きたい』と練習に取り組んで、チーム力が上がりました」と卓球部の上原純一監督。上原監督も早稲田実業学中・高の卓球部として青春時代にラケットを振っていた卓球部OBだ。
早稲田実業は初戦で新勢力の長本が1番で、濱野が5番で勝利したが、3番のダブルスで利根川宏樹・落合諒ペアが殊勲となる1点をあげた。
「関東大会の全中代表決定戦の5番を任せた濱野が勝ちきれたことが大きかったです。今大会も初戦で安心してラストを任せることができました。また、主将の利根川と落合ペアはふたりとも早稲田実業の卓球部で卓球を始めた生徒です。そんな彼らが全国の舞台で1勝をあげられたことがとにかくうれしいです」(上原監督)
「来年もまたこの舞台に来て、頑張りたい」と口を揃えた部員たち。予選リーグを突破することはできなかったが、新潟にワセダの風は確かに吹いていた。
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