全日本社会人卓球選手権は最終日を迎え、男子シングルスは大島祐哉(木下グループ)が初優勝。
シングルスでの全国タイトルはこれが初めてという大島は、前回大会の決勝で負けた上田仁(T.T彩たま)と決勝で再戦。これまで1勝6敗と圧倒的に分の悪い上田に対して、この試合でも0−2の劣勢から「(勝つために)自分のプレーを捨てて、両ハンドのプレー、特にバックハンドで強打するようにした」(大島)と戦術転換。バック対バックで上田を押し始めると、上田が無理をする展開になり、4ゲームを連取。1年越しでリベンジを果たすとともに、社会人チャンピオンの称号を手にした。
シングルスで初タイトルを獲得した大島祐哉
「組み合わせはきつかったですね。4回戦の五十嵐君(史弥/滋賀県スポーツ協会)、次の松下君(大星/クローバー歯科カスピッズ)にはTリーグで負けていたし、渡辺君(裕介/協和キリン)と雅己(𠮷田/木下グループ)もきつかった。上田さんもそうですが、今大会は負けていた選手たちとの試合が多かったです」(大島)
取り組んでバックドライブで形勢を逆転させた
上田戦では、練習で取り組んでいたというバックドライブ、ミドルから出すハイトスサービスを多用したことで逆転の糸口を見つけたが、「(練習してきたことを)決勝の舞台できたことは成長した部分かなと思います。ゲームを先行されて、ここで変えなければあとがないというところでやり切れたのは、自分のメンタルの強さも出せたのかなと思います」(大島)
上田を逆転で下し、拳をかためて吠える大島
2位の上田は全日本社会人選手権に4回出場して、4度の優勝とこれまで負けなしの無双状態だったが、決勝ではリードを守れずに敗れた。それでも向かってきた龍崎東寅(三井住友海上)、有延大夢(琉球アスティーダ)との激戦を制すなど、強さが際立った。
まだまだ強い上田は若手の挑戦を跳ね除けて決勝に進んだ
3位には吉田雅己と村松雄斗(La.VIES)が入った。村松は社会人2年目の6年前に全日本社会人で3位に入っているが、それ以降シングルスの全国大会で入賞がなく、久しぶりの表彰台となった。
粘り強さとタフなメンタルでベスト4入りの𠮷田
村松はカットの守備範囲が広くなり、攻撃も良くなっていた
■男子シングルス準々決勝
上田仁(T.T彩たま) 8、6、-9、-4、11、11 有延大夢(琉球アスティーダ)
村松雄斗(La.VIES) 2、6、6、4 田添響(岡山リベッツ)
𠮷田雅己(木下グループ) 8、7、-7、6、8 笠原弘光(ハンディ)
大島祐哉(木下グループ) 8、-10、-5、9、2、13 渡辺裕介(協和キリン)
■準決勝
上田仁 7、6、3、4 村松雄斗
大島祐哉 5、7、11、-8、9 𠮷田雅己
■決勝
大島祐哉 -10、-9、3、9、4、8 上田仁
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