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大会報道

強い賢二が帰ってきた!! 松平賢二が全日本社会人卓球で2度目のV

青森市のマエダアリーナで行われている全日本社会人卓球選手権は最終日を迎え、男女シングルスの優勝者が決まった。

 

男子シングルスは昨日にベスト16が出揃い、ベスト8をかけた6回戦からスタート。

6回戦でもっとも白熱したのが丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)が第1シードの吉田雅己(木下グループ)をゲームオールジュースで下した一戦。青森山田中、高で同期の2人は互いのプレーやコース取りを熟知しているため簡単に得点を奪うことができず、両サイド、ミドルを攻めながら強弱の打球の変化も交えたハイレベルな展開に。最終ゲームは丹羽が大量リードしたが、吉田が驚異的な追い上げを見せる。しかし、最後は届かずに丹羽に軍配が上がる。大一番を切り抜けた丹羽は準々決勝、準決勝を圧倒。決勝に進出した。

 

その丹羽と決勝で対戦した松平賢二(協和キリン)は、6回戦で皆川朝(日野キングフィッシャーズ)に勝ってベスト8入りを決めたが、準々決勝では笠原弘光(Handy)に苦戦。ゲームカウントを0−2でリードされて、3ゲーム目も4−10と笠原にマッチポイントを握られたが、ここから松平が追いついて逆転でこのゲームを奪う。試合は最終ゲームまでもつれたが、我慢のプレーでバックドライブを控えて、フォアドライブの連打を続けた松平が11−9で勝利。準決勝でも粘り強い小野寺翔平(リコー)を上回り、競り合いをものにして決勝に進んだ。

 

松平は中陣から質の高いボールでラリーに持ち込み、あまいボールに対しては両ハンドドライブを打ち込んだ

 

松平は決勝でも我慢のプレーを継続。厳しいレシーブが困難な丹羽のサービスに対して、「ストップができない時は長くツッツキでレシーブして、持ち上げてきたドライブを(ボールの外側をとらえてナチュラルに)曲がるブロックで1本入れて、そこから攻撃に転じる」(松平)など、冷静なメンタルと戦術面が光った。

丹羽の両ハンドカウンターを中陣で拾いながら、チャンスとあらば一撃のバックドライブで得点を奪うなど、パワーヒッターらしいプレーも随所に見せた松平が、競り合う各ゲームをギリギリでものにして、平成26年の第48回大会以来、2度目の栄冠を手にした。

 

決勝で丹羽との激戦を制した瞬間、松平は床に倒れ込み、両手で顔を覆った

 

34歳になって個人戦の全国タイトルを獲得。強い賢二が帰ってきた

 

男子シングルス準々決勝

丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス) 71197 松下大星(クローバー歯科カスピッズ)

渡辺裕介(協和キリン) −8−10−998711 高木和卓(ファースト)  

松平賢二(協和キリン) −9−110−9579 笠原弘光(Handy)    

小野寺翔平(リコー) 9−910−768 田添健汰(木下グループ) 

 

準決勝

丹羽孝希 76−8710 渡辺裕介

松平賢二 −949−91110 小野寺翔平

 

決勝

松平賢二 10−13−61089 丹羽孝希

 

決勝で敗れたとはいえ、今大会の丹羽のプレーも素晴らしかった。他の誰もできない「高速ラリー中に意図的に緩急をつける」など、時間を操ったプレーはさすが。集中力も高く、優勝ペースで勝ち上がったが、青森山田中、高の先輩の松平に競り負けた。

 

質の高いプレーを見せた丹羽。余談だが、試合後に母校の青森山田卓球部を訪れて、後輩たちにエールをおくるなど優しい一面も

 

3位にはダブルスで2連覇を飾った渡辺裕介(協和キリン)が入った。準々決勝で高木和卓(ファースト)にゲームカウント0−3のビハインドからの大逆転は、最後まで諦めない強い心が成し遂げた。中央大卒のルーキーの小野寺翔平(リコー)は、コート全面を動き切るフットワークと中陣からのパワードライブ、ほとばしるガッツで3位に食い込んだ。

 

単複での活躍が光った渡辺

 

小野寺は小柄ながら動きの良さとパワーを備えている

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