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早田ひな「私の目標はパリ五輪の出場ではなくて、パリで中国選手に勝って金メダルを獲ること」

 

全日本選手権では3種目17試合を勝ちきった早田ひな

 

「選考レースのような大事な
試合の中でも常に進化することを
忘れてはいけない」

全日本選手権での三冠王という偉業を達成しても早田ひな(日本生命)は冷静だった。
卓球王国4月号の単独インタビューの冒頭で「もうTリーグもあるので全日本優勝はいったん置いてきて、Tリーグに向かっています」と早田は語った。

1月の全日本選手権では3種目17試合をすべて勝ち切り、3個の金メダルを獲得した早田。世界ランキングでは伊藤美誠(スターツ)の5位に続く6位に位置し、パリ五輪代表の選考ポイントでは2位の木原美悠(JOCエリートアカデミー)の157pに対して、227.5pを獲得し、1位を走っている。
全日本後も、選考ポイント対象になっているTリーグにフル参戦し、2月末からはWTTスターコンテンダー(インド)、3月にはWTTグランドスマッシュ(シンガポール)などと休む間もなく試合は続く。
「今回、最後まで私自身の肝が座って、すごく冷静で、相手の心理状態が試合の中で見えていて、ほとんど把握できてコントロールもできていた。苦しい状況の中、全日本の怖さの中で戦い抜くことができたということ。それが自分の中ですごくうれしかったんです」と語る早田にとって全日本優勝はパリ五輪のための通過点だった。
ベンチに入った石田大輔コーチは「初優勝の時は挑戦者としての戦いで、優勝の確率は30%くらいはあると思ってたが、今回は50%以上のチャンスがあると思っていた。ひなの技術を出し切ることで優勝したし、本物の強さだなと感じました」と全日本を振り返る。

 

「ここから選考ポイントも倍になるし、より気を引き締めて頑張らないといけないし、他の選手も私に勝つための対策も立ててくると思います。そこで立ち向かうというよりも、私も全日本の反省を生かして、もっともっと進化していきたい。自分のペースで進化しながらその途中で試合を行っていく、そして、そこで出た課題を反省して練習をして、それを積み重ねながら走り続けていくのかなと思います。私の目標はパリオリンピックの出場ではなくて、パリオリンピックで中国選手に勝って金メダルを獲ることが最終目標です。
パリオリンピックに入った時にすべてを消化しきってコートに立つのではもったいない。選考レースのような大事な試合の中でも常に進化することを忘れてはいけない。常に自分自身が自信を持って練習をしたり、試合をしていれば自然と結果はついてくる」(早田)。

最後には「私もいっぱいいろいろ考えて、すごく悩んで、最後は結果につながることが多いので、今卓球に打ち込んでいる方々も最後まで諦めずに、一つひとつを楽しんで頑張ってほしいです」と語り、インタビューを締めくくった。。
どこまでもストイックで、どこまでも前向きな早田ひな。彼女のインタビューは珠玉の言葉の連続強打だった。 (卓球王国最新号・4月号より抜粋)

 

女子シングルス決勝で木原を破り、優勝を決めた瞬間の早田

 

優勝を決め、歓喜のあと、感激の涙を見せる早田

 

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