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インタビュー

山崎雄樹「自分の言葉で卓球と 選手の魅力を伝えたい」

–——最近は実況だけじゃなくて、俳優業もやってると聞きました。

山崎:俳優業と言ってしまっては、本当の俳優さんにとても失礼だと思いますが、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」や、6月26日に放送される「世にも奇妙な物語」に出演させていただきます。どちらもアナウンサー役です。

ドラマの撮影現場もとても勉強になります。大人数のスタッフが短時間でセッティングや撤収をし、自分なんか端役に対しても、スタッフさんが丁寧に接してくれます。そして有名な俳優さん、女優さん、みなさん立ち居振る舞いが素晴らしく、スタッフへの接し方など、学ぶべきところはたくさんあります。

 

–——卓球プレーヤーとしては?

山崎:もうちょっとやりたいですね。全日本マスターズと全日本ラージにはそれぞれ1回出場してます。いつか上位に行きたい。熊本の卓球仲間とは50歳になった時に全日本クラブ選手権に出ようと約束しています。

全日本ラージでの山崎。ペン表速攻のアグレッシブ卓球はラージにもピッタリ

–——好きなプレーヤーは?

山崎:自分と同じペン表ソフトは好きです。昔は中国の陳龍燦が好きでしたね。

Tリーグでシャン・シャオナ選手(ドイツ/日本ペイントマレッツ)と出澤杏佳選手(専修大/TOPおとめピンポンズ名古屋)が当たった試合は心躍りました。やっぱり表ソフトが好きなんですね。

 

–——最後に山崎さんの今後の目標を教えて下さい

山崎:最初は好きな卓球の実況をする。それだけでいいという思いが自分の中にありました。

最初はそんなエネルギーはなかったんです。好きな卓球に関わることで、自分も元気になりたいと思っていましたが、ありがたいことに選手や指導者、視聴者の方々から好評をいただいて、自分の言葉で選手の魅力、卓球の魅力を伝えたいと思うようになりました。

 

自分のできることで卓球界に貢献したいと思い始めたんです。

Tリーグだけじゃなく、日本リーグや全日本選手権、パラ卓球の実況もやらせてもらい、たくさんの方々と関わらせてもらいました。今後は、国内外のすべての卓球の試合の実況をやりたいですね。

印象に残っている試合は、Tリーグファーストシーズンのプレーオフファイナル。女子の両国国技館でのあの激闘です。「見たことがない景色が広がっていた」という言葉はよく聞きますが、こういうことなんだと実感しました。

実はTリーグが開幕する前の2018年6月に行われたジャパンオープン(北九州)を見に行った時に、石田卓球クラブに寄らせてもらったんです。そこで親交のある松井清美さんがその場に居合わせた早田ひな選手を紹介してくれました。

「山さんは、ひなの実況がしたいけん、会社を辞めるとよ」と粋な紹介でしたね。

結局、レギュラーシーズンは早田選手の実況ができませんでしたが、最後の最後のファイナルで実現しました。

あの激的な優勝、「早田ひなが泣いています」と言いながら、私も泣いていた。

あの時に、フリーになろうと動いて良かったなぁ。ありがたいな。あの両国国技館のライトに照らされた選手たちを実況できて、本当にうれしいなと。

これからも、自分を救ってくれた卓球に少しずつ恩返しをしていきたいです。

きっと、まだまだ卓球に助けてもらうことの方が多いと思いますが(笑)

 

–——ありがとうございます。Tリーグ第4シーズンのスタートが待ち遠しいですね。

 

山崎雄樹 やまさき・ゆうき

1975年6月16日生まれ、三重県出身。立命館大学卒業後に熊本放送に入社。その後、フリーアナウンサーに転身し、Tリーグの実況を務める。右ペン表ソフト速攻型

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