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インタビュー

全日本混合ダブルス準優勝の田中千秋が現役を引退。「最後にずっと戦ってきたライバルと試合ができて良かった」

 

ーーー日本リーグにも参戦し、昨年の前期リーグでは2部で優勝して1部昇格を果たしました。その時から引退することは決めていましたか?

田中:決めていました。去年の春先に監督や周りの選手に「私あと1年で引退する」と言っていました。最後の年に日本リーグで1部に上がって、1部で残留して終わるのが最終目標だったので、そこは悔いなく終わることができました。

2022年度前期日本リーグで2部優勝、1部昇格を果たした豊田自動織機

大車輪の活躍を見せた田中は最高殊勲選手賞と優秀ペア賞を受賞(写真左から2番目)

 

ーーー後期では昭和電工マテリアルズと愛媛銀行に勝利して1部残留を決めました。

田中:昭和電工マテリアルズさんとはホームマッチで勝負しました。以前1部に上がった時もホーム&アウェイで試合を行っていたのですが、ホームマッチは全試合0-3で負けていました。だから、私たちの目標はなんとしてもまず1点。会社の人たちが見に来ているから、1点とって会場を盛り上げたかった。1番は負けてしまったけど、2番で私が勝てたことで一気に会場活気づきました。その勢いのままに、ホームマッチの良さを活かして勝つことができました。

 

ーーー田中さんから見て豊田自動織機はどんなチームですか?

田中:フルタイムで仕事をしてから、業務後の少ない時間の中で練習しているので、プロチームや日本リーグで1部にいるようなチームと違って、卓球に対して多くの時間を費やすことはできない。でも、その中で工夫して、できることを一生懸命やっているというのが魅力だと思います。仕事をしながら卓球をしているので職場の方からも身近な存在に思ってもらえていて、たくさん応援の声をかけてもらっています。

 

ーーー社会人になって練習量が減っているのにも関わらず、良い成績を残せている理由は何でしょうか?

田中:今が真剣じゃないというわけではないのですが、学生時代のほうが卓球と向き合っているし、明らかに練習量も気持ちも違います。本当に不思議ですよね。でも、私の場合は仕事と卓球を両立しているのが良かったのかも知れません。卓球では経験できないことを職場で経験できていて、その経験が卓球にも活かされている。直接的にボールが速くなったりするわけではないけど、考え方とか物事のとらえ方とか、そういう面が変わった気がします。

あとは監督のおかげもあります。阿部(昌司)監督はネガティブなことを言わずに、選手をすごく尊重してくれるので、選手の自主性が高まる。だから私たちも自分のペースで卓球をすることができます。時にはミーティングもしますが、さりげないサポートがチームに良い効果をもたらしているのかなと思います。

長きに渡って豊田自動織機を支える阿部監督(写真中央)。選手からの信頼も厚い

 

ーーー引退された後はどうされるのですか?

田中:働きながら、豊田自動織機のコーチとして卓球部に残ります。

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