このインタビューから2週間後、田中は東京選手権の女子ダブルスに出場。4回戦で田中と同じく今年度をもって引退となる中畑夏海/森田彩音(デンソー)にフルゲームジュースの大接戦の末に敗れ、現役生活に幕を閉じた。
ーーー最後の試合を終えてみてどうですか?
田中:5ゲーム目になった時、すでに泣きそうでした。「これで負けたら終わってしまう」と思って。全日本の時は、全日本は最後だったけどまだ試合はあったので引退の実感はなかったんですけど、今回は本当に最後ということで感極まっちゃいました。
ーーー最後の相手が同じく引退する中畑夏海/森田彩音(デンソー)でした。
田中:私が勝って「お疲れ様」って言いたかったんですけど(笑)。中畑選手と森田選手は前からずっとライバルとして戦っている相手でした。だから、知らない人とやるよりは最後にずっと戦ってきたライバルと試合ができて良かったなと思います。
ーーー上田選手とはずっとダブルスを組み続けていました
田中:(上田)真実ちゃんの話をすると泣きそうですね。真実ちゃんとは2年間ダブルスを組みました。最初は日本リーグの2部でも勝ち越せないくらいボロボロで、ペアの組み換えも検討しながらやっていたんですけど、真実ちゃんは他にはないものを持っているから一緒に頑張ろうと思えました。ダブルスを組んでから半年くらいたったらお互いに感覚をつかんできて、2年目になったら1部の選手が相手でも自信をもって試合をすることができました。ペアを組み替えるかもしれないとなった時、真実ちゃんは複雑な気持ちだったと思います。つらい思いをさせてしまったんじゃないかなって思うんですけど、それでもついて来てくれました。私がミスをして暗い顔をしている時も、真実ちゃんは「次入りますよ」とか声をかけてくれたりして、年下とは思えないくらい頼もしかったですし、感謝しかないです。
ーーーありがとうございました。
日本リーグでは1・2部通算シングルス35勝、ダブルス21勝。豊田自動織機では主将を務め、太陽のような笑顔で実力面、精神面ともにチームの中心として活躍した田中。インタビュー中、弟の佑汰について聞くと「私と違って才能あふれる子なんで」と語ったが、チームを明るくする田中の笑顔もまた才能のひとつに違いない。
6歳で卓球を初めてから21年間、本当にお疲れさまでした。
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